ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

忿怒の形相の中に、優しさが・・・

2020-04-22 15:58:27 | 歴史遺産「仏像」

平安初期に開山された「醍醐寺」。ご承知のとおり、世界文化遺産である。 

伽藍のほぼ中心部にある醍醐寺の正門、西大門(仁王門)の両脇に木造の金剛力士像が安置されている。

開口の阿形像と口を結んだ吽形像2像が忿怒の形相で睨みをきかせていた。

よく見ると、他寺の仁王像に比べてどことなく穏やかな表情がうかがえる。

大きめの頭部に対し体部はやや細身。全身にまだらの模様が見られるは、長年の風雨による補修跡のようである。

しばらく睨み合ってみたが、まばたきもせずに凝視する眼光は、木面が剥がれ変色しているものの鋭かった。

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睨みをきかせる赤青の仁王像。四天王寺 

2020-04-21 16:44:31 | 歴史遺産「仏像」

伽藍の配置は、南から北に向かい中門、五重塔、金堂、講堂と一直線に並ぶ。
それを回廊が周りを取り囲む形式で、古い建築様式の伽藍である大阪 四天王寺さん。
寺院は色彩鮮やかな独特な趣きが感じられるお寺である。聖徳太子が創建した和宗本山のお寺としても知られている。


その四天王寺の中門で伽藍の守護神である仁王像が睨みをきかせている。向かって右側に赤色の「阿形像」那羅延(ならえん)金剛力士、そして左に青色の「吽形像」蜜迹(みっしゃく)金剛力士に、怪しい者ではござらん、伽藍見学と本尊お参りを、と問いかけると一瞬、怖顔から笑みが(?) 。勝手にそう思うと気分が高まる。


同寺の赤色、青色の仁王像は珍しい。なぜ仁王像に色が塗られているのか、と思い明確な理由は見当たらなかった。ただ、如来と菩薩は仏像の格は高い。悟りを開いているレベルなので金箔を施しているものが多い。
仁王像である金剛力士像は、格が下がるので極彩色で表現されている、ということになる。さあ、推測の域を超えないが、当たらずといえども遠からずであろう。


トップの写真は六時礼讃堂を背に眺め、背高ノッポのあべのハルカスを借景にした景色。

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醍醐寺を守る仁王像の形相

2019-04-14 11:17:30 | 歴史遺産「仏像」
885年前に造られ貴重な文化財である、醍醐寺西大門に安置されてある仁王像、木造金剛力士立像。
開口の阿形像と口を結んだ吽形像2像が忿怒の形相で睨みをきかせていた。
よく見ると、他寺の仁王像等に比べて、忿怒の形相の中にどことなく穏やかな表情がうかがえる。
大きめの頭部に比べて体部はやや細身のようである。裳裾もその衣褶を流動的に刻みながらもあまり動きを感じさせないように思える。
しばらく睨み合ってみたが、まばたきもせずに凝視する眼光は、長い年月で朽ちているものの鋭かった。
春の移ろいに訪ねた世界文化遺産 醍醐寺。人の多さに圧倒され、内部鑑賞は後日に。







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東寺の本尊は薬師如来? それとも大日如来?

2017-08-29 16:34:58 | 歴史遺産「仏像」
東寺は、平安京鎮護のため嵯峨天皇が弘法大師 空海に下賜したお寺である。
その空海が唐から持ち帰った真言密教を、この東寺で開示した。

真言密教は「大日如来」が本尊。にもかかわらず、何故、東寺の本尊が「薬師如来」なのだろうか、と疑問をもつ。

修行場としての講堂には、真言密教の本尊である「大日如来像」を中心に、如来、菩薩、明王、天部の21体の仏像が安置され立体曼荼羅で悟りの世界を現している。
本堂である金堂には、東寺の本尊「薬師如来像」を中央に、右に日光菩薩、左に月光菩薩が鎮座している。

金堂と講堂では異なる仏像がある。少し違和感を覚えるが、それは、密教が日本で本格的に普及し始める前から「雑密」という形で薬師如来は人気があったようである。
当時、病気の苦しみから救ってくれる現世利益として多くの人の心の支えとなっていたようだ。いまのように医療の無い時代には、薬師如来の御利益は絶大なる希望の薬だった。
それに加え、空海自身も薬師如来を個人的に好んだと言われている。そのために、真言宗の本尊にしたのではという説がまことしやかに伝わっている。
ということで、ご存じのとおり、高野山 金剛峰寺の本尊が薬師如来である。

どの宗派に関わらず、時勢や、寺の目指す方向によってメーンキャラクターとして仏像を選択したということのようである。




写真は、写真集「東寺のみほとけ」と「pinterest」より転載
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人の心を魅了する「色気」。

2017-08-29 10:34:23 | 歴史遺産「仏像」
「色気」。世間では俗っぽい言葉であるが、仏像の中でも、とくに如来像や菩薩像、天部像の一部には、その色気を感じさせるものがいくつかある。
それらの表情には絶世の優美さが感じられる。穏やかな、慈悲深い表情は人の心を魅了する。私の中では、それも含め「色気」と称している。

顔の表情と同様に、仏像で目に留まるのが肩から背にかけて流れるライン。
最高の彫刻技術で造られ、そして歴史を跨いできた仏像には、その「色気」が色濃くでているような気がする。






左から、十一面観音立像・阿修羅像・弥勒菩薩像
写真は、YAHOO仏像画像から転載
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