先日、八坂神社に参拝した。現本殿が建立され370年近くなるようだが、一昨年にその本殿が国宝に指定され気持ち新たに神社境内を歩いてみた。
半世紀前に京都生活を始めたころ、祇園祭りの帰路に友人と八坂神社へ行った折、あるトラブルに巻き込まれたことがある。それが八坂神社とのご縁になり、懐かしい思い出として印象深く残っている。
本殿(国宝)
ご存じのとおり、四条通りの東突き当りが八坂神社。知らない人がいないほどの知名度を誇る。「祇園さん」として古くから京都の人々には親しまれ、素戔嗚尊(すさのをのみこと)を主祭神とし、また薬師如来を本寺仏(ほんじぶつ)として疫病消除の神社になり、多くの祈りが祇園信仰につながり日本三大祭り祇園祭へ、とつながった。
八坂神社の本殿は「祇園造(ぎおんづくり)」と呼ばれる、ちょっと珍しい建築様式の建物。神様を祀る神殿と、人が拝む拝殿がお寺のように一体になっているのが特徴である。両側面と背面に庇(ひさし)がある独特の外観になっている。屋根は檜皮葺で造られている。
建築は門外漢で分からないが、資料(国宝指定)によると、平安時代の建築の空間構成を伝え中世の信仰儀礼と建物の関係をよく示しており伝統を継承した建物として,江戸時代前期に建立されたことは我が国建築史上,高い価値を有する。また,この本殿が,祇園祭を担う人々によって現在まで維持されてきたことには,深い文化史的意義が認められる。ということのようだ。
本殿の前にある「舞殿」では数々の奉納の行事が行われているが、今はただただ静寂の中に包まれている。聞こえてくるのは本殿の鈴の音だけ。千年以上の伝統を誇る華麗な祭礼祇園祭は、どうなるのだろう? と思いながら手を合わせた。
舞殿
南楼門
石鳥居
リポート&写真/ 渡邉雄二 Reported & Photos by Yuji Watanabe
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