ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

「春夜」より「春あけぼの」が清々しく未来を感じさせる

2024-02-19 09:20:04 | 雑感

二十四節気では立春が過ぎて、雨水、啓蟄、そして春分と続く。春分の頃ともなれば桜が見ごろである。今年は少々早く見ごろを迎えるようだ。ライトアップに照らされ桜の下では賑やかなシーンが目に浮かぶ。

 

清少納言は「枕の草子」のなかで、四季の、それぞれの特徴を一言で表している。春なら「あけぼの」、夏は「夜」、秋は「夕暮れ」、そして冬は「早朝」というように。春の夜明けは確かに美しいものである。

 

一方、中国北宋の政治家で文人でもあった蘇軾(そしょく)は、春といえば「夜」としている。春の夜は、ひとときでも千金の値があると思えるほどすばらしい、という想いを「春夜(しゅんや)」という詩で綴っている。もの悲しい季節として春の宵を「寂寂」とした情感を醸し出す内容にしている。

それが、ご存知この詩である。

春宵一刻値千金
花有清香月有陰
歌管樓臺聲細細
鞦韆院落夜沈沈

春の夜は、ひとときでも千金に値するほどすばらしい
花は清らかに香り、月はおぼろにかすんでいる
歌声や楽器の音が鳴り響いていた楼閣も、今はかすかに聞こえるばかり
ぶらんこのある中庭では、夜が静かにふけてゆく

春の夜は、管弦を聴き花や月を愛でていると寂寂なる感情が湧き出てくる。それが春の宵の千金なのかもしれない。

 

もうすぐ桜の季節、枝に蕾が芽吹き春の訪れを知らせてくれる。満開ともなれば陽射しに照らされ、新しい門出を祝うかのようにキラキラと耀く。

春夜のように月はおぼろにかすみ管弦を聴きながらふけてゆくのも情感あふれるが、日本ではやはり、枕草子の春はあけぼのがいいように思うが・・・さて、いかがなものか。

 

 

 

朝陽にてらされる尾道水道 (写真/栗山主税)

 

 

 

リポート/ 渡邉雄二

写真/ 栗山主税

 

#春はあけぼの #枕草子 #清少納言 #門出を祝う #春夜 #蘇軾 #春の夜は千金に値する #おぼろ月夜 #

 

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われ滅度といわば わが弟子にあらず  われ不滅度といわば またわが弟子にあらず 【佛日寺 涅槃会Ⅱ】

2024-02-16 11:21:23 | 涅槃会

先日の黄檗宗 佛日寺で執り行われた「涅槃会」で、本堂須弥壇飾られた涅槃図について簡単な解説があった。それによると、この涅槃図は、寛文4年(江戸時代1664年)に、佛日寺の開基であり、池田の地を所領していた麻田藩主青木重兼公とともに信仰心の厚い地域の檀信徒によって寄進されたとのこと。

 

その涅槃図の左右の上部に漢詩が入れられてある。涅槃図に文字が入っているのは少々珍しいという。この図を描いた際に入れられたものかは定かではないが、涅槃図にあわせ「お釈迦様が入滅に際し詠んだ教え」のようである。

 

右上は「若謂吾滅度非吾弟子」

左上は「若謂吾不滅度亦非吾弟子」

 

もし われ滅度といわば わが弟子にあらず 

もし われ不滅度といわば またわが弟子にあらず

 

もし、私が死んだと思うなら弟子ではない。死んだというのは間違いである。私が説いた45年間の教えは残る。その教えを継いでいくことで、弟子たちの心の中に私は生きている。

 

それに対し、もし、私が死んでないというのも間違いである。誰でも最後を迎える。この世は、一切は続かない、すべてが移り変わってゆく諸行無常である。

 

解説を拝聴しながら、釈迦様の入滅の姿が目に焼き付く。この世は諸行無常で、すべてが移り変わっていく。ただ春の夜の夢のごとしではかないものである。

 

 

 

 

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

涅槃図/ 黄檗宗 摩耶山佛日寺

 

#涅槃 #お釈迦様の入滅 #涅槃会 #涅槃図 #お釈迦様の教え #諸行無常

 

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「アリくんバスにのる」、孫娘の読み聞かせに孫息子集中

2024-02-15 13:31:30 | 雑感

先日の3連休に長女の娘(8歳)と次女の息子(2歳)が泊りにきた。その1週間前の関東は積雪の寒い日に、娘たちが子供を連れディズニーランドへ行き楽しんだようだ。娘たちの子供は姉弟のように仲良し。お姉ちゃん(8歳)は、面倒見が半端ないほど常に従弟に寄り添っている。

 

拙宅に泊りに来た日の夜は、寝る支度を済ませたが子供たちはなかなか寝ようとしない。でんぐり返しなどでひとしきり遊んだ後も目はギンギン。それならということで、先日紹介した昔の職場の同僚が出版した絵本を読み聞かせしたら、という提案をお姉ちゃんにしたら、喜んで同意してくれた。

 

表紙に書かれているタイトルから読み聞かせが始まった。隣にちょこんと座る従弟の顔を伺いながら表紙を捲った。最初のページ(見開き)の絵を見て、弟はアリと認識しているかどうかはわからないが、アリくんに指をさして “ かわい・・! ” が第一声だった。

ページが進むにつれ、お姉ちゃんの読み聞かせに弟は絵を見ながら集中している。お姉ちゃんの読み聞かせが上手なのか弟は聞き入っている。ストーリーが佳境に入り、アリくんがおうちに帰れるか、という不安が理解できているのか弟の顔が心配そうになっていた。アリくんが家に帰りついた時の絵を見てやっと笑顔に。

 

爺さんが、「おもしろかった?」と聞くと

孫は、「おもちろかった」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

#連休お泊り #孫ふたり #絵本 #夜の絵本タイム #アリくんバスにのる #おくだなるみ #読み聞かせ #子供は感情豊か #文芸社

 

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佛日寺で、昨日「涅槃会」の読経や尺八の音がひびく 【佛日寺涅槃会Ⅰ】

2024-02-13 14:37:53 | 日本の信仰

本堂で行われた涅槃会

 

 

2月15日はお釈迦様の入滅の日である。それを「涅槃(ねはん)」という。35歳で悟りを開き、45年間、インド各地で教えを説き80歳で故郷への旅路で、沙羅双樹に頭を北に顔を西に向けて横たわり臨終を迎えた。

お弟子さんなど神仏、そして52衆の動物たちが横たわるお釈迦様を取り囲み嘆き悲しむ姿を描いたのが「涅槃図」(写真)である。その図を掲げ、お釈迦様の遺徳を偲ぶ法要を「涅槃会(ねはんえ)」という。

 

その涅槃会が、昨日12日、大阪 池田市の佛日寺で行われたので参拝した。同寺の本堂には高さ3.8m、幅3.2mもある池田市にあるものでは最大級の大きさのもので、江戸時代に佛日寺に寄贈された貴重な涅槃図。左右には紺地に金泥で文字が書かれ、他に類を見ない大変珍しいものである。

 

今年は、1月1日に発生した能登半島大地震の犠牲になられた方々の安寧を願い供養をこの涅槃会ともに行われた。

まず、佛日寺ならではの涅槃図に描かれているお釈迦様との関りある神仏や動物などのストーリーをひも解く「絵解き」があり、そのあと法要が営まれた。そして最後に、神社仏閣での献奏を中心に活動している上村風穴氏による「尺八献奏」が行われた。

 

この涅槃会は仏教の三大行事のひとつで、お釈迦様の遺徳を法要や僧侶からの口伝で理解していくことによって我々の精神性を養うのに大きな力になるはず。涅槃会に臨みいまさらながらそう思った次第である。

 

 

池田市では最大級の涅槃図

 

 

絵解きをする佛日寺和尚

 

 

上村風穴氏の尺八献奏

 

 

紅梅白梅の間から眺める佛日寺山門

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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法楽寺の「柴燈大護摩供」は “幸せの炎” に見えた

2024-02-09 12:43:29 | 文化想造塾「神社仏閣」

 

 

大阪市東住吉区にある真言宗泉涌寺派の大本山である「法楽寺」で昨年から月一回仏画曼荼羅アート教室を開講している。

 

ご縁をいただき、訪れるたびに同寺院の新しい景色を見せていただいている。先月末には「柴燈大護摩供(さいとうおおごまく)」が執り行われたので見に行ってきた。護摩木に上から願い事、その下に名前を、そして一番下に数え年を書いた。護摩を焚くことで願いが叶うとされている。

 

この柴燈大護摩供は、真言宗を開いた空海の孫弟子にあたる、修験道の祖といわれる聖宝理源大師が初めて行ったといわれており、醍醐寺をはじめとする真言宗の修験道の法流を継承する真言密教系の寺院で行われることが多い。野外で行う大規模な護摩法要のことで、不動明王の強力な法力を得た山伏により、願望達成など色々な奇跡を起こすとされる最強の奥義とされている。

 

柴燈に火が入る前に、山伏による数々の大護摩供ならではの儀式が行われる。その後に火が灯され、山伏が、我々が書いた願い事の護摩を手に、仏の加護を求め、印契(いんげい 悟りや徳を表す)を結び鈷(こ 密教法具)を用い、そして真言を口唱しながら燃え上がる火の中に護摩をくべてゆく、その姿は神のようにも見えてくる。

今回の大護摩供では、想像を絶する数の護摩木が護摩壇にのせられ、それを数人の山伏が小一時間かけて焚き続ける。多くの願いが叶うように、また祈りが火や煙によって天に届くよう、と。

 

燃えさかる炎のなかで護摩が焚かれ、それによってさらに炎が燃え上がり、その煙が天高く上がっていく。その光景を見ると、除災招福などの空海の「現世利益 (げんせいりやく)」「即身成仏 (そくしんじょうぶつ)」を得ることができるように思えてくる。それこそ

「ハッピーメソッド」である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リポート&写真/  渡邉雄二

柴燈大護摩供/  真言宗泉涌寺派大本山 法楽寺 (たなべ不動尊)

 

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