仏画曼荼羅アート教室では、阿弥陀さん、お釈迦さん、そして大日如来像や菩薩像は頻繁に描いている。しかしながら、燃え上がる炎をもつ「不動明王像」は “絵になる” 対象であったが、なぜか課題として提示してこなかった。
不動明王は、全国各地で「お不動さん」として親しまれている寺院は多い。その寺院の本尊として祀られている仏様である。密教特有の尊格をもつ明王の一尊である。真言宗をはじめとする、天台宗、禅宗、日蓮宗など日本仏教の諸派や修験道では幅広く信仰されている。
ちょうど1年前、大阪南田辺の「法楽寺」で仏画教室を開講したご縁で不動明王への関心度がさらに高まった。法楽寺の本尊が不動明王で “たなべお不動尊” として地元で親しまれ、多くの方たちの心の支えとなっている寺院である。
年に2回、柴燈護摩供がおこなわれ、護摩木に祈願の言葉を書いてそれを火にくべ、修験者や僧侶が真言をとなえながら祈祷する。その光景を見ていて不動明王へのあつい信仰心が伝わってくる。怖い表情の中から仏法を護る仏様として温かさが見えてくる。
不動明王の魅力をいかに引き出せるかを一つのテーマに生徒さんたちがチャレンジしている。いくつかの教室の生徒さんが精いっぱい描いた不動明王。同じ課題ではあるものの、それぞれが想像する魅力的な表情が描きだされている。
文・写真/ 渡邉雄二
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