先日の黄檗宗 佛日寺で執り行われた「涅槃会」で、本堂須弥壇飾られた涅槃図について簡単な解説があった。それによると、この涅槃図は、寛文4年(江戸時代1664年)に、佛日寺の開基であり、池田の地を所領していた麻田藩主青木重兼公とともに信仰心の厚い地域の檀信徒によって寄進されたとのこと。
その涅槃図の左右の上部に漢詩が入れられてある。涅槃図に文字が入っているのは少々珍しいという。この図を描いた際に入れられたものかは定かではないが、涅槃図にあわせ「お釈迦様が入滅に際し詠んだ教え」のようである。
右上は「若謂吾滅度非吾弟子」
左上は「若謂吾不滅度亦非吾弟子」
もし われ滅度といわば わが弟子にあらず
もし われ不滅度といわば またわが弟子にあらず
もし、私が死んだと思うなら弟子ではない。死んだというのは間違いである。私が説いた45年間の教えは残る。その教えを継いでいくことで、弟子たちの心の中に私は生きている。
それに対し、もし、私が死んでないというのも間違いである。誰でも最後を迎える。この世は、一切は続かない、すべてが移り変わってゆく諸行無常である。
解説を拝聴しながら、釈迦様の入滅の姿が目に焼き付く。この世は諸行無常で、すべてが移り変わっていく。ただ春の夜の夢のごとしではかないものである。
リポート&写真/ 渡邉雄二
涅槃図/ 黄檗宗 摩耶山佛日寺
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