俳句の季語としての百千鳥とは、春になって様々な鳥のオスがメスに対する求愛のために囀ることを言う。
しかし、古くは古今和歌集の「古今三鳥」として、百千鳥=ウグイス、呼子鳥=ツツドリ、稲負鳥(いなおほせどり)=セキレイという説がある。
「ゆるぶ」とは、「緩む」「許す」の古語で、(心が)ゆるむ・おおらか・ゆったりしている・(氷などが)融ける、(寒さが)やわらぐ、などの意味がある。
百千鳥のこういう歴史的背景を考えると、「ゆるびをり」の古語がぴったりであり、この句を格調高いものにしている。