一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

173    冴返る陶土舐めては窯詰めす

2011年03月02日 | 

一口に陶磁器の窯と言っても、現代的な灯油窯、ガス窯、電気窯と古式の薪窯では、全然性格が異なる。この句の窯は、薪窯であり、穴窯と言う。

 

燃料の薪の灰が、作品や棚板に降りかかり、1200度以上の高温では融けて液化する。冷めると釉薬としてガラス化する。

したがって、作品を棚板に直に置くことができない。それを防ぐために、耐火粘土で2~4センチの円い団子を作り、作品と棚の間に団子を置き、作品を棚から浮かせて焼かなければならない。

 

 一つの作品に、団子を最低3個、大皿などは20個くらい使うこともある。作品を置くためには、一度作品に団子を接着させなければならない。その方法は、団子を舌先で舐めて唾液を付けるのである。つまり、唾液が接着剤なのだ。

 

「きたない」などと言う人もいるが、とんでもない。そのために病気になったこともないし、なんといっても、買ったり持ち運ぶ必要も無く、実に有難い接着剤なのだ。そういえば、切手も舐めればすぐ貼れる。

 

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