一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

196 酒好きの作る徳利山笑う

2011年03月25日 | 

「焼き物は、人生最後の趣味」と言われているそうだ。誰がいつ言い出したのか、定かではないが・・・・これにも集める趣味と作る趣味があるらしい。

 

陶芸教室の看板を揚げているわけではないが、「どうしても作陶したい」と頼まれることがある。ある時その男は、徳利とぐい呑みを作りたいと言う。よほどの酒好きなのだろう。

 

手ロクロは使うが、手びねりだから、いびつもいいところ。しかし、本人は、唯無心に必死にやっているだけなのだが、いつの間にか、いびつがいびつのまま,様になっている。これが芸の極致なのだ。

最後にその男が言った。「今日ほど、こんなに頭が真っ白になったことはない。楽しかった」

 

 「良かったですね」と言ってみたものの、私は、これは喜ぶべきことか、悲しむべきことか、考え込んでしまった。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする