これは、掛川へ吟行に行った時の句である。
一時、山内一豊の居城であった「掛川城」は、当時の姿を純木造で復現している。城としては小振りであるが、逆川の深い堀を巡らし、天守閣から遠州平野を一望できる平城である。
鯱(シャチホコ)は、名古屋城の金の鯱が有名であるが、頭が虎、体が魚の想像上の動物。掛川城の鯱は、小さな城にしては大きすぎて、バランスが良くない。
その彼方の鯱に鳩が止まった。やわらかな日差しの中の大きな鯱と小さな鳩、城の白壁を象徴して「風光る」を取り合わせ、吟行句として秀句
。