数10万年の人類の歴史は、常に飢えとの戦いであった。江戸時代に寛永、享保、天明、天保の大飢饉、昭和でさえ東北大飢饉があった。
ところが、戦後生まれのほとんどが、飢えどころか空腹さえ知らない飽食時代を生きている。人間以外の動物、例えば犬を見ていれば、満腹ならば動く必要がないから寝ている。人間だって同じで、いつも満腹ならば、欲望や行動力や好奇心が湧くはずがない。
不登校など、社会に出て行かず、家に又は個室にひきこもっている「ひきこもり」は、日本に300万人ほどもいるらしい。中には50代の「ひきこもり」もいるという。それは、物質的に豊かな社会が生んだ副産物とも言える。
糖尿病は飽食時代の副産物と言えるそうだが、ひどくなると壊疽を起こす。ということは、人間社会でもあちこちで壊疽を起こしているのかもしれない。