野口雨情の童謡「青い目の人形」に、「青い眼をしたお人形は、アメリカ生まれのセルロイド」というフレーズがある。この童謡は、90年前の大正12年に発売されたそうである。
ちょうどその頃の日本では、樟脳が原料のセルロイド製のキューピー人形が作られ始めた。薄っペラではあるが、艶のあるキューピー人形は人気で、戦後しばらくまで作られていたようである。しかし、自己発火するほど燃えやすく、火災の原因になりやすいため、アメリカで輸入禁止になり、1955年ごろから急激に製造量が減っている。
セルロイドは、長期にわたる光や酸素などの影響を受けると、元のセルロースと硝酸に分解・劣化してべとついたり亀裂を生じやすい。このため長期保存に向かないから、現存している人形はほとんどないらしい。
さてこの句、作者は「石蕗の花」から「セルロイド」を連想したのだろうか。関係がありそうで、なさそうで・・・・・