一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1079  セルロイドいつかすたれてつわの花   やよい

2013年11月08日 | 

  野口雨情の童謡「青い目の人形」に、「青い眼をしたお人形は、アメリカ生まれのセルロイド」というフレーズがある。この童謡は、90年前の大正12年に発売されたそうである。

  ちょうどその頃の日本では、樟脳が原料のセルロイド製のキューピー人形が作られ始めた。薄っペラではあるが、艶のあるキューピー人形は人気で、戦後しばらくまで作られていたようである。しかし、自己発火するほど燃えやすく、火災の原因になりやすいため、アメリカで輸入禁止になり、1955年ごろから急激に製造量が減っている。

 セルロイドは、長期にわたる光や酸素などの影響を受けると、元のセルロースと硝酸に分解・劣化してべとついたり亀裂を生じやすい。このため長期保存に向かないから、現存している人形はほとんどないらしい。

 さてこの句、作者は「石蕗の花」から「セルロイド」を連想したのだろうか。関係がありそうで、なさそうで・・・・・

コメント
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