一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1093  冬構など何もなき町ぐらし  澪子

2013年11月25日 | 

  「冬構」には、風除け、雪囲い、雪吊り、建物の北窓を塞ぐ、目貼り、障子張り、種取り、など冬に対する様々な備えを言う。

 ところが、雪が降らない、強い北風もあまり吹かないような土地では、大した備えがいらないのだ。建物は高断熱の家、全部屋にエアコンや床暖房。職業がサラリーマンでマンション住まいなら、尚更である。

  北国、雪国の人には申し訳ないが、この句の作者のような都会で生活する人たちが、日本の人口の半分以上いるのではないか。唯、それが豊かな暮らし、本物の暮らしなどとはとても言えない。それだけは確かだと思う。

  何故ならそれは、電気・ガス・水道といったインフラが整備され、動いているからだ。ところが、万一大地震などでそれらの供給が止まれば、住宅は一変に無用の長物になる。都会人は、危険極まりない薄氷の上で暮らしている。

コメント
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