灯火によって、特に単一のローソクや電球によって、人の影ができる。それを影法師と呼ぶ。しかし最近は、例えば複数の蛍光灯などの光源によって光が拡散するので、鮮明な影が出来にくい。
影法師は、江戸時代以前のロウソクしかなかった時代に生まれた言葉ではなかろうか。百歩譲ってせいぜい裸電球の時代までだろう。
影にお坊さんを意味する「法師」を使うのも、影に生命力や幽霊のような存在感があるからだろう。又、琵琶法師、一寸法師、つくつく法師などという使い方もあるから、法師をお坊さんと限定しなくても良いかもしれない。
透けて見える障子やカーテンなどは、裏表ができる。しかし、地面や木材のように光を透過しないものは裏表ができないが、そのことに何か特別な意味があるのだろうか。