(ほしてこき からすみのしゅと あきおしむ)
ボラ(鰡、鯔、)は、ほぼ全世界の熱帯・温帯に広く分布する大型魚。港に行くと、4,50センチのボラが悠然と泳いでいるのを見かけることがある。沿岸部の水質汚染が進んだ時、ボラは臭い、と嫌われた影響が今でも続いている。
それでも秋になると、泥臭さが抜けて脂が乗りうまくなる。そのボラの卵巣が「鰡子」。豊臣秀吉が「これは何か」と尋ねたところ、長崎の代官が「唐墨」と答えたという。本来の「唐墨」とは、書道に使う中国の墨のことで、ボラの卵巣を干しているカラスミと形が良く似ている。
いづれにしても、江戸時代から肥前のカラスミは、越前のウニ・三河のコノワタと共に日本の三大珍味と言われているそうである。