一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1076  干して濃き鰡子の朱と秋惜しむ   しおん

2013年11月05日 | 

(ほしてこき からすみのしゅと あきおしむ)

  ボラ(鰡、鯔、)は、ほぼ全世界の熱帯・温帯に広く分布する大型魚。港に行くと、4,50センチのボラが悠然と泳いでいるのを見かけることがある。沿岸部の水質汚染が進んだ時、ボラは臭い、と嫌われた影響が今でも続いている。

 それでも秋になると、泥臭さが抜けて脂が乗りうまくなる。そのボラの卵巣が「鰡子」。豊臣秀吉が「これは何か」と尋ねたところ、長崎の代官が「唐墨」と答えたという。本来の「唐墨」とは、書道に使う中国の墨のことで、ボラの卵巣を干しているカラスミと形が良く似ている。

 いづれにしても、江戸時代から肥前のカラスミは、越前のウニ・三河のコノワタと共に日本の三大珍味と言われているそうである。

 

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