一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1080  凩になりそびれたる臆病風   康子

2013年11月09日 | 

(こがらしに なりそびれたる おくびょうかぜ)

「あいつは、臆病風に吹かれている」という表現があるが、自然界にそういう風がある訳ではない。あくまで、人間界に吹く風のこと。ところが、この句の「臆病風」は、どうやら自然界の風として扱っているらしい。

凩は、「木枯」とも書き、「木を枯らす風」つまり、木の葉を落とす強風を言う。神無月に吹くので「神渡し・かみわたし」とも、「星の入東風・ほしのいりこち」などとも言う。

又、木の葉がバラバラと音を立てて落ちるのを、「木の葉時雨」「木の葉雨」などと言う。これらは、別に雨が降っている訳ではなく、あくまで木の葉の落ちる音を雨音に擬しているだけである。

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