一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1149   亡き人の吐息となりて春の雪   万由子

2014年02月19日 | 

 吐息とは、単に吐く息というだけでなく、落胆したり、緊張がゆるんだりしたときに思わず出る溜息のことだという。

 大粒の淡雪が顔にぶつかって、そのことから作者が何を想像しようと自由であるが、亡き人の吐息とは、なかなかの想像力だ。というよりも、今の作者は、雪に限らず、雨が降っても、風が吹いても、梅が咲いても、何が起きても亡き人を思い出すに違いない。

 つまり春の雪は、作者の嘆きの吐息でもあるのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする