一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1155  雛の夜の鏡に知らぬ女居り  薪

2014年02月27日 | 

 雛祭は、平安時代から始まった厄除けのための「流し雛」や儀式的な「上巳の節句」と、子供たちのままごと遊びから発展した「雛遊び」が結びつき、江戸時代になって、雛祭として全国に広まったようである。

 元は男女一対のみの内裏雛が、次第に華美になり、3段・5段・7段と増えていったので、享保年間には幕府が大型を禁止するほどになったそうである。

 さて、この句の知らぬ女とは、作者自身であろう。雛人形は、多少薄汚れはしても、昔と変わらぬ美しさと気品を保っている。ところが、作者は「私には若かりし頃の面影さえない」と言っている。表現にトリックがあって意味が分かれば可笑しいが、実際はどうにも逃れられない悲哀の句である。

湯河原・幕山梅園

5,6分咲きでしょうか。満開にはもう少しかかりそうです。(2月26日)

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