中日ドラゴンズ日本一!
さて、歓喜の夜から2日明けて、なんとなく平常心になってきた(笑) 一昨日の試合終了後テレビを消してしまったので、優勝特番も見てないし、ビールかけも見てないのだが、おそらくファンにとっては涙なくしては見れない(聞けない)シーンの連続だった事だろう。
しかし、あのビールかけというヤツ、単なる乱痴気騒ぎという気もするのだが、何故見てるだけで感極まってくるのだろう? いや、中日だからというだけでなく、他球団でもビールかけのシーンは感動してしまう(巨人と西武除く...爆)。
で、今回の中日ドラゴンズ日本一に関して、物議を醸している事がある。そう、8回までパーフェクトだった山井投手を、9回岩瀬投手に交代させた、落合監督の采配についてだ。昨日からネットの記事や掲示板投手に交代見てると、正に賛否両論、近頃プロ野球ネタで、これだけホットに盛り上がった事はなかったのではないか、なんて気すらする。
賛の意見を集約すると、「日本シリーズで完全試合なんて前例がない大記録なのに、目先の勝利を優先して、山井を交代させた落合監督は無粋だ。野球ファンの夢を壊す行為である。プロ野球人の風上にもおけない。」というものだ。ま、頷けない事もない。しかも、完全試合で日本一決定なんて、この先何百年プロ野球が続いても、達成できるとは思えない。正に、世紀の瞬間を潰したとも言える訳で、その点はちと残念かな、とも思う。
スポーツライターの玉木正之氏がこういう意見で、自身のサイトにも書いているので、興味があったら読んでみて欲しい。
ま、確かに分かる。けど、今回はペナントレースではない。日本シリーズという、特別な舞台なのだ。中日は勝たねばならなかった。日本シリーズでは弱い、という世間の風評をくつがえすためにも勝たねばならなかったのだ。何よりも、落合監督がそれを一番強く感じていたと思う。だから、完全試合目前の山井を代えた采配については、当然であると僕は思うし、落合監督の判断は正しいと思う。結果論かもしれないが、9回を岩瀬が三者凡退に抑え、二人かがりとはいえ完全試合を達成したので、山井にも傷がつく事はなかったし。そして、何よりもファンは喜んでいる。
これまた結果論だけど、山井を続投させたらどうなったか分からない。けど、あの試合には勝ったと思う。同点、または逆転されるのが怖かったから、山井を交代させたのだろう、という考えの人も多いが、これは違うと思う。もちろん、確実に勝つには岩瀬に交代した方がいいし、また日本一の瞬間にはマウンドには岩瀬がいなければならない。経過がどうあれ、岩瀬が最後に登場するのは必然だったのだ。
落合監督は小心者ではない。もし、小心者の監督だったら、あの場面山井を続投させたろう。大記録を達成させてやりたい、という親心もあるが、所詮完全試合なんて個人の記録だ。打たれて負けても山井自身の責任であり、続投させた監督が批判される事はない。目前で交代させて逆転された方が、世間から叩かれるのだ。そう考えると、勝っても負けても全ての責任を背負い込む覚悟で落合監督は交代させた訳で、小心な人に出来る行為ではない。並の人間なら、逆転されるのが怖くて山井を交代させる事なんて出来ないだろう。僕が監督だったとしても、交代させなかったと思う。あんな場面で、そんな勇気ないです(笑)
落合監督の頭の中には、日本一になる事、それもナゴヤドームで達成する事、しかなかったはずだ。本拠地で、大勢のファンの目の前で、胴上げを見せる。長年応援し続けてきたファンに対する究極のファンサービスである。その為に、山井を交代させて勝ちにいった。誰が、その采配を責めることができよう。。勘違いしてる野球関係者も多いけど、プロ野球なんてファンあってこそ、なのだ。目の前で優勝してファンに喜んで貰う。これのどこがいけない。大勢のファンの見てる前で素晴らしい試合をし、しかも勝った。これを成し遂げた落合は、名監督と呼ばれてもいいのではないか。その為の山井の交代、言っちゃ悪いが、原・岡田・ヒルマン・バレンタインといった他チームの監督に、果たしてこんな事が出来たろうか。決して、“非情采配”なんかではない。
だいたい、完全試合という、あくまでも個人の記録を、まるで球界全体の名誉であるかのように捉えるから、今回のような批判も出てくるのだ。そこで、まず間違っている。もし、山井が完全試合を達成したとしても(それはそれで凄い事である。その事を否定する気はさらさらない)、中日が日本一になれなかったら、あまり意味がない。「プロ野球選手の仕事は勝つ事だ」と、かの広岡達朗は言ったけど、個人のプレーは全てチームの勝利に結びつかなければならないのだ。勘違いしてはいけない。まず、チームの勝利ありき、である。山井だって、ここで完全試合を達成すれば、一生保証される、という訳ではあるまい。
という訳で、僕はファンの為、チームの為に勝利にこだわった落合監督の判断を断固支持する。とにかく、あの試合は特別だった。同じ日本シリーズでも、日本一に王手をかけていなければ、山井は間違いなく続投だったろう。いやほんと、落合監督もかなり悩んだと思のでは。でも、岩瀬が三者凡退に抑えたおかげで、監督の判断は間違っていなかった事は証明された。決断した監督も凄いが、それに応える選手もあっぱれ。中日ドラゴンズ恐るべし、である。