斎藤美奈子「物は言いよう」を読んでみました。
本の内容説明によると、以下の通り。
FC(フェミコード)とは、性や性別にまつわる「おかしな言動」に対するイエローカード。思わぬセクハラを防ぐ60の心得を紹介。笑いながらFC感覚が自然に身につく。
この本に記載されているセクハラ発言は、ほんの数年前のものであるのに、今となっては全く忘れ去られているものが多いように思った。当時は、衝撃的な発言であっても、今では全く話題に上らないし、この本を読んでいても「そう言えば、そんなこともあった」と思う程度である。例えば大学生による集団レイプ事件についての「集団レイプする人はまだ元気があるからいい。正常に近い。」という太田誠一氏の発言も、当時は不届きな発言だと思う程度で、何が問題なのかという明確な基準が無かったように思う。この本を読んでみると、その基準が明快でありその発言の問題点が明らかになって大変面白かった。
しかし、確かに面白い本ですが、この本を読んで、FCの60の心得を全て実践するのは難しいように思いました。(私は読んで一日も経つと、ほとんど半分以上内容を忘れてしまう)
FCを意識して、性に関して何も話さないことは、FCに抵触しない最善の方法ではありますが、それも難しい気がします。人に会って何も話さないわけにはいきませんから。要は、昔からよく言われるようにTPOを意識すること。それだけで、FCはある程度守れると思います。
それにしても、女性に人気の村上春樹や村上龍までが、FCに抵触するようなことを書いているとは、、、。