漂白の詩人と呼ばれた種田山頭火の生涯と自由律俳句を紹介した本。
主に関東以西の日本をさまよい歩いて、自分の思いを素直に句にした山頭火の俳句は、とても自然で心に染みてきます。高校時代に、有名な「分け入っても分け入っても青い山」という句を教わった時、松尾芭蕉や小林一茶の俳句にはない新鮮な印象が残ったのを覚えています。俳句の型にとらわれないこのようなジャンルがあることを知って、俳句の更なる奥深さを知りました。
それはともかく、フラフラと日本中を巡って俳句を作り続けた山頭火の人生も面白い。旅の途中で自分のことを考え、「腹を立てない、嘘を言わない、物を無駄にしない」という誓いを立てます。逆に言えば、誓いを立てなくてはいけないような行状の人物であったということです。この本では、彼の作品鑑賞が中心になっていますが、山頭火の生涯についてもザックリと解説しています。山頭火について少しだけ知りたい人向けの入門書です。
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