昔、競馬を始めた頃に、こんな本を読みました。「日本競馬論序説」
山口瞳、赤木駿介による競馬指南本です。80年代までの日本競馬の状況と競馬初心者のための勝ち馬予想のやり方を紹介しています。内容が古くて現状とは合っていませんが、考え方は作家・浅田次郎の競馬指南本に通じる内容です。
著者の主張として、「まずはパドックで馬を見るべし」ということが何度も書かれています。裏を返せば、競馬を見に競馬場に来ているはずなのに、オッズや馬体重などのデータばかりを気にして、肝心の馬を見ないのでは勝てるはずがないということのようです。また、競馬をギャンブルとして見るのではなく、スポーツとして見られるようになれば、更に競馬の魅力が向上すると言ってます。日本競馬の成立の歴史から、競馬の見方、スポーツ紙の見方や馬券の買い方までひととおり紹介されており、競馬初心者にはとても参考になります。タイトルは難しそうですが、内容は易しくて判りやすい。書かれた時代は古いけれど、考え方は今に通じるものがあり、時間を掛けず少額で競馬をシンプルに楽しみたい人にはお勧めの本です。