JRA調教師・小桧山悟氏のエッセイ。競馬ブック連載のエッセイをまとめたもので、
これは第四集(最終巻)になります。
内容は競馬の話一般、弟子の騎手や調教馬(スマイルジャック)、ゼブロイドの話、
競馬関係者との対談等。文章も判りやすくて上手いと思ったら、著者は数千冊の蔵書を持つ
読書家で、競馬ライター経験もあるらしい。また若い頃はアフリカでの生活経験もあり、
ゴリラについても詳しい。出会った人達との縁を大切にする方のようで、読み進めるうちに
本の内容よりも小桧山調教師に興味が湧いた。
エッセイの中で感動したのは、高市桂二調教師の話。シングンマイケルが中山大障害G1を
優勝した直後に亡くなったことは記憶に新しい。とてもショックなニュースだったが
その経緯についても詳しく書かれていた。(そのシングンマイケルも、高市調教師が
亡くなった2か月後の中山GJで、レース中の事故により後を追うように死亡した)
また地方競馬の関係者との対談、管理馬スマイルジャックのその後について、ゼブロイド
という馬の品種の話、ムツゴロウさんとの対談等、興味深い話ばかりで、
今まで競馬エッセイは色々読みましたが、この本は異色で競馬以外の話も多く、
著者の動物愛、人間愛溢れる文章で大変面白く読めました。