キマグレ競馬・備忘録

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本「ノーベル賞受賞者の精子バンク―天才の遺伝子は天才を生んだか」

2018年04月12日 | Book

ノーベル賞受賞者や優秀な業績を挙げた人達の精子による優秀な子孫を残すために設立されたレポジストリー・フォー・ジャーミナル・チョイスとロバート・グラハムの軌跡を追ったノンフィクション。
ノーベル賞受賞者の中には、自分の優秀な遺伝子を子孫に残したいと考えた人達が居た。例えば、トランジスタの発明でノーベル賞を受賞したウィリアム・ショックリーは、優生学的な思想の持ち主で、このような試みに賛同し、自身の精子を提供したことで知られている。ロバート・グラハムは割れない眼鏡レンズの発明で財を成した後、この会社を立ち上げ、多くの優秀な人達にアプローチし、「種付け」を行うビジネスを始めた。精子を提供する優秀な男性と優秀な子供が欲しい女性の思惑で多くの子供が生まれたが、その多くは思惑通りには行かず、生活環境により普通の子供として育っている。精子バンクとそれを利用して子供を設けた母親について、その後を追跡し、このビジネスのあり方と家庭や子供に関する様々な問題を提起する。ロバート・グラハムの計画は彼の死去とともに終わったが、似たようなビジネスは未だに存在するらしい。
競馬では、優秀な血統の牡馬を、優秀な牝馬に種付けし優秀な競争馬を生産するのが普通に行われている。しかし、必ずしも人間の思惑通りに行かない事が多い。馬の種付けの考えを人間に当てはめるのは、倫理上問題があるが、彼はそれを実践しようとした。優秀な子供を遺伝子に求めたくなる気持ちは判らないではないが、子供の頃は天才でも大人になると凡人になる例はいくらでもある。(その逆も)結局、血筋より育った環境や教育、本人のやる気等後天的な資質が影響するのは間違い無い。でもこういうビジネスは廃れないだろう。子供が優秀でなくても、父がノーベル賞受賞者だったら「箔」が付くと考える人達も多いと思う。


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