Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

ダリアの花、162

2017-05-05 10:38:50 | 日記

 きゃーっと顔を背けて、一瞬蛍さんは2、3歩飛び退いて逃げようとしました。

そして再びその化け物に向き直ると、このまま逃げようか如何しようかと様子を窺いました。

彼女は化け物を見詰めながら、それが何を如何して欲しいのか判断しようとしていました。

また、何か言葉を話すかもしれないと思い、その言葉を聞こうとして耳にも神経を集中して見詰めるのでした。

 この時です、近くにいた時にはフレフレとその手を振る様子も尋常でなく、

蛍さんにとって、これはやはり何だか見た事も無い化け物なのだろうとしか見えなかったものが、

こうやって少し離れて彼女にその全体像が見えてくると、

それはやはり緑の茎に葉のある、黄色い丸い花を咲かせた植物なのでした。

「あれ?」

蛍さんのしかめた顔の表情が緩みました。

彼女は『あれはお花だ。』と思いました。それが土から生えた花の形をしているものだという事が、この瞬間彼女にはよく分かったのです。

 「ホーちゃん、そこだとよく見えないでしょう、こっちで向日葵の花を見てごらん。」

先生の1人が声を掛けてくれました。その先生は、

「そこだと逆光になって花がよく分からないのよ。小さい子は皆それで怖がるのよ。」

と優しく彼女に言うと、他の先生にもそうなのよと話し出すのでした。

 「子供にすると、向日葵の方が背丈が大きいし、見る位置が逆光になっているから、多分見た事無い花だろうし、それで皆怖がって逃げて行くのよ。」

きっとそうなんだわとその先生が言うと、他の先生もそうなの?小さい子の臆病ばかりじゃないのね。等と同意しています。

 その先生にこっちこっちと呼ばれて、蛍さんは先生の側迄行きました。

その時、ザーッ、ミシミシ、バタバタ、幼稚園の近隣の家が傾いで揺れて、バタバタと花壇の草花が倒れるように揺れて風の通り道が出来ました。

地面の砂が舞い上がって皆の目に入ると、先生は言いました。

「あー、もう本当に今日は風の酷い日ね、このままだとせっかくの向日葵が折れないか心配ね。」

咲いたばかりなのに可哀そうね。そうねと、花壇にいた他の2人の先生もこの先生に同意すると、

支えの棒を探して来ると言って、連れだって幼稚園の建物内に消えて行きました。

 「ホーちゃん、勇気があるのね。」

傍らの先生が微笑みながら彼女に言いました。

「皆逃げて行ったのよ、女の子は特にね。」

そんな話を聞くと、蛍さんはそうだろうと相槌を打ちました。

 今まで見て来た皆の様子と、彼女の目の前に白日の下に正体が晒された向日葵の花。

お日様に照らされて見事に花開いているこの花は、新鮮な煌くように明るい黄色い花弁をびしりと持ち、

地面からすっくと立ちあがると、巨大で葉も大きく、濃い緑で確りしています。

こうやって目の当たりにして隈なく観察出来た事で、彼女には大体の事の次第が納得出来たのでした。


ダリアの花、161

2017-05-05 10:36:39 | 日記

 男の子達と分かれた蛍さんは、期待に胸を躍らせて弾むように花壇の所までやって来ました。

そして、彼女は目的地に着くと少しおっかなびっくり、自分の心を静めながら花壇で向日葵の花を探しました。

『本当はどんな花何だろう?どちらの言う事が本当なんだろう。』

しかし、そう思って花壇を見渡す彼女の目に、何処にもそれらしい花は見えません。

 その時です、

「如何したの?何を探しているの?」

花壇にいた先生にそう問いかけられて、

「向日葵の花です。向日葵の花を探しているんです。みんなが咲いたって言うから見に来たんです。」

と蛍さんは答えました。

「あら、向日葵ならこれよ。」

皆見に来るのね、また向日葵なんですって、そう先生達の声が交わされる中、蛍さんの目の前の先生が体を脇へ除けると、

その先生のいた真後ろから大きな黒い葉の影が現れました。

 蛍さんがその巨大な影を辿って行くと、目の前に大きな丸い顔が陰になった人物が現れました。

黄色いもじゃもじゃの髪をばさばさに振り乱して、顔の部分が黒くなり、どんな顔をしている人なのかよくわかりません。

顔どころか、その表情もよく分からない人です。幼稚園へのお客様かなと蛍さんは思いました。

「こんにちは。」

咄嗟に彼女は挨拶をして、『誰だろう?』こんな黄色い髪の人なんているのかな?そう思いました。

そこで彼女は更に詳しくこの人について見ようとしました。

視線を下げて胴体の部分に目を向けると、胴体の方はさらに異常な風体でした。

蛍さんにとって、これが人と思うと、体の部分が酷く細く、異様な姿をした見た事も無い変な人としか思えません。

彼女は一瞬びくっとして、ひゃっと震えあがりました。とんでもない化け物が行き成り目の前に現れたと思ったのです。

 「まあ、この子も皆と同じね。」

気が小さいんだわ。

そんな先生達の声に、負けん気の強い蛍さんは、目の前の黄色い髪をふり乱した背丈の高い人物、

大きな頭で異様に身の細い化け物を、勇気を出してもう1度恐る恐る観察してみました。

その結果、蛍さんにはやはり酷く変な化け物がそこに居るんだとしか思え無いのでした。

 「こんにちはって言っているのに。」

彼女は周りに先生もいることだしと思い、気を大きくしてその化け物風の人に挨拶の返事が無いわと言ってみました。

と、その化け物が急に両手を振りました。おやおやという事なのでしょうか。

 大きな手をひらひらと振り、おいでおいで、いや、あっちへお行という具合にひらひらと振って、その人は大層気まぐれなようです。

そして、バタバタと辺りの物が騒がしくなったと思ったら、急にグワーッと大きく体を揺らし、

今にも蛍さんに飛びかかり、覆いかぶさって来そうな雰囲気になりました。その勢いで蛍さんの衣服や髪も大きく靡きました。


昔からあるレゴ

2017-05-05 09:33:52 | 日記

 レゴブロックって、昔からありますね、私の幼い頃は高いおもちゃという感覚で、家で買ってもらった事がありません。

でも、ご近所さんが持っていたので、その子が作った作品を見に良く遊びに行きました。

透明なレゴを縦長に組み立ててビルにすると、とび出した部分が椅子のように見えて、ビル内に椅子が並んでいるように見えたものです。

その効果を利用してその子もビルを作っていました。私も教えてもらって作ったことがあります。

だからビルを組み立てた事がありますね。あとは乗り物、飛行機やロケットなど、見よう見まねで遊ばせてもらった事があります。

 私の子供時代、家には組み立てる積木だけだったので、こういったはめ込み式のブロックだときちんとした形が組みあがり、

動かしても壊れないので羨ましかったものです。

自分が持っていなかったので、子供にはブロックを1番に買ってやりました。

子供って、自由な発想で見本以外の面白いものを作ってくれますね。

出来上がった作品を見ていると、大人の方がイメージは乏しいのかなと思ったものです。