Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

うの華3 134

2021-03-26 10:08:10 | 日記
 実際、先程迄、私の指は私の意思通りに動いていたのだ。

『冷たい指でも、ちゃんと動いていたじゃ無いか。』

そう思うと、私は妙な緊迫感を感じてドギマギした。その奇妙な緊迫感は不安となり恐れと化すと、安定していた私の感情の堰を切って、私の胸の底から怒涛の如くにどうっと湧き上がって来る。

 「違う、私の指は変じゃ無い!。」

私は焦ってそう叫んだ。と、クラッと立ち眩みの様な目眩を感じた。急激に目の前が真っ暗になって行く。が、私は、私を飲み込もうとして来るその闇に必死で堪えた。私は足を畳に踏ん張ると、クラクラ来る頭を振った。そうこうしながら、私は必死で闇に飲み込まれる我が身を持ち堪えた。が、ほっとしたのも束の間だった、直ぐにぐらっと上半身が揺らいだ。と思うと、私の平衡感覚は急激に崩れ、体全体が傾き、足元も覚束無くなった。到頭私は堪えようも無くドンと畳に倒れ込んだ。

 …と思ったのだが、意識がはっきりして来ると、私の目の前には玄関と居間の間に渡してある仕切り、戸か壁の様な木造りの面が有った。横に目を移すと格子戸が目に入る。『目の前にこれ等が有るという事は…』、私は立っているのだ!、てっきり倒れたと思っていたのに。と私は嬉しい驚きをした。さぞや痛い思いをした事だろうと、私は自身が倒れた時の痛みを想像していただけに、倒れずに済んだ身の無事を知りほっと安堵した。

 「何を騒いでたんだい。」

声に振り向くと、私のすぐ後ろには祖母が鎮座していた。「お祖母ちゃん⁉︎」、私は意外に思って少々驚いた。てっきり彼女は未だ廊下の先にいると思っていたからだ。


うの華3 133

2021-03-26 09:24:41 | 日記
 私は呆気にとられていたが、はっと気付くと畳の縁に歩み寄り、そこから身を乗り出す様にして戸の格子の隙間に指を掛けた。私は目を凝らし、身近な隙間から木戸越しに玄関を覗いてみる。そこは物音も無く静まり返っていた。玄関に去った筈の、そこには従兄弟の影も形も無かった。

 ふうん、私は思った。何だかやはり今日は不思議な日だ。今目の前を横切った従兄弟がもういない。玄関に物音も無かった様なのに。常とは違う、私の現在まで獲得してきた日常の状態とは違う、変な事ばかりが起きる日だ。私は首を傾げた。

 私が居間に目を戻し、元の場所に戻って来た時、私は突如気付いた。『あれ!、暖かい!?。』自分のいる部屋が、自分の周囲の空気が、この時期の普段の気温になっていたのだ。そうして、私は自身の体が何かから解放され、ふわりと緩んだ様に感じ、常日頃の様な平々凡々とした安らぎを覚えた。

 私は、思わず冷たかった方の片手を取り自身でその状態を探ってみる。先程に比べると冷たく無い様だ。試しにと、私はその異変のあった方の手の指を動かしてみる。と、気温は暖かいのに悴んだ様に指が動かない。私は一瞬緊張した。そんな馬鹿なと思う。冬じゃ無いのだ。氷の季節じゃ無いのだ。気温の高くなった今頃、あの雪の季節の様に指が凍える訳無いじゃないか、と思った。

今日の思い出を振り返ってみる

2021-03-26 08:50:25 | 日記


マルのじれんま 2

 「まぁ、この話は追々するとして、君は紫苑さんという地球人の男性の事が気に掛かっているんだろう?。」つるつるとした頭に手をやりながら、恥ずかしそうに頬など染めて、ドクター・マル......

    今日は良いお天気です。昨日は曇でも気温が高く、桜の開花が進んだそうです。
    昨日は買い物に出て、今日も外出予定です。留守の時の家が心配でもあります。今のところ、ご近所から何も話を聞いた事がないので、無事何も問題なかったのだろうと思っています。
    以前、小学校の友人から、その人がパートから帰ると、玄関駐車場の支柱が壊れていたという話を聞きました。車に衝突されたとか。その時は、友人のご近所の方達が犯人を押さえていて下さったのだそうです。恵まれた友人で幸せ者です。
    一方、こちらは旧市街、もし夜に音がしても、高齢所帯が多いせいか、無用心に思われるのか、ぼぼ誰も外に出てきません。案外と無用心な地域です。昼間はそんなこと有りませんように。