神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

阿波々神社(遠江国式内社)

2012-02-04 22:32:08 | 神社
阿波々神社(あわわじんじゃ)。
場所:静岡県掛川市初馬5419。県道415号線(日坂八坂線。国道1号線日坂バイパスができたため県道となったが、元は近世東海道)沿い、「事任八幡宮」(遠江国式内社「己等乃麻知神社」。遠江国一宮を称している。)西側の歩道橋のところから約9km北上。駐車場あり。
社伝によれば、天平8年(736年)の創建だが、創建時の事情は不明。祭神は阿波比売命だが、別名・天津羽羽神とされ、天石戸別命の御子で八重事代主命の后神という。一説に、阿波比売は和魂、天津羽羽神は幸魂で、「事任八幡宮」の祭神・己等乃麻知比売命は荒魂であるともいう。素人にはよくわからないが、粟ヶ岳(標高532m)山頂付近に鎮座していることから、粟ヶ岳という山自体を祀っていること、「事任八幡宮」と何らかの関係があったことは推測できるだろう。
さて、社殿前に磐座と思われる巨石群があることでも有名だが、発掘調査等は行われてはいないようで、いつの時代の、どういう性格のものかはわからない。なお、当神社境内には、もう1つ有名なものがある。それが「無間の井戸」で、昔、空道上人(あるいは、聖武天皇時代の仙人)が、撞けば現世では願い事が何でも叶うが、死後は無間地獄に落ちるという「無間の鐘」というものを粟ヶ岳山頂に掛けた。すると、死後のことは考えずに鐘を撞きに来る人々が絶えなかったことから、鐘を沈めてしまった井戸(の跡)だという。実は、磐座の中心に岩の裂け目があり、その底は奥知れず、これが地獄につながっている穴だとも言われている。このように、この磐座は仏教的な色彩も持っており、古代からのもの考えるには慎重な調査・判断が必要なのではないかと思われる。


阿波々神社のHP


写真1:「阿波々神社」入口


写真2:社殿


写真3:磐座とされる巨石群


写真4:「無間井戸」(遠州七不思議の1つ)


写真5:粟ヶ岳山頂には、茶祖・栄西の像もある。また、磐座のある山にはよくあるが、ここにも電波塔がある。桜の名所でもあるらしい。
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