渭伊神社(いいじんじゃ)。
場所:静岡県浜松市北区引佐町井伊谷1150。国道257号線「井伊谷」交差点を西に曲がり、県道303号線(新城引佐線)を約900m、「神宮寺北」交差点(コンビニ「サークルK井伊谷店」がある。)の1つ先の狭い道を西に入る。駐車場あり。
駿河国には、いかにも磐座っぽい磐座がほとんどないが、遠江国には少なくとも2つある。どちらも、式内社の境内にあることも、いかにもそれらしい。その1つが式内社「渭伊神社」境内にある、いわゆる「天白磐座遺跡」である。
「渭伊神社」の創建時期は不明。祭神は品陀和気命、玉依姫命、息長足姫命の八幡三神で、近世には「正八幡宮」と呼ばれてらしい。しかし、当神社は元々、南東約600mにある臨済宗妙心寺派「万松山 龍潭寺」の境内にあったとされ、南北朝時代に現在地に遷座したという。したがって、当神社と境内の磐座は本来、無関係だったということになる。
現在、「龍潭寺」の北に隣接して「井伊谷宮(いいのやぐう)」(後醍醐天皇の第四王子、宗良親王を祀る。)があり、紛らわしい。元々、井伊谷は江戸時代の譜代大名、近江国彦根藩主として有名な井伊氏の本貫地である。「龍潭寺」の南、約200mの田圃のなかに「元祖共保出生の井戸(井伊家の井戸)」が今も残っている。井伊氏は藤原北家の後裔ともいわれる地方豪族で、「渭伊神社」は、あるいはその氏神であったかもしれない。「渭伊神社」という名は、元は単に「井神社」で、和銅6年(713年)の「好字令」によって好字二字に変えられたのではないかと考えられている。祭神も元は八幡三神ではなく、井戸の神だったのではないか。
ところで、「天白磐座遺跡」であるが、当神社の社殿裏の「薬師山」(標高約30m)という小丘に40m四方にわたって約20個の巨石が散在している。発掘調査によれば、手こね土器などが出土し、古墳時代前期の4世紀後葉から平安時代を通じての祭祀遺跡とみられるという。また、経筒外容器も出土し、中世には経塚として利用されたらしい。こうしたことから、平成4年に県指定史跡として指定された際には、「磐座」に限定されることを避けて「渭伊神社境内遺跡」という名で登録された。
静岡県神社庁のHPから(渭伊神社)
玄松子さんのHPから(渭伊神社)
龍潭寺のHP:縁起に「元祖共保出生の井戸」についての説明があります。
写真1:「渭伊神社」境内入口の社号標
写真2:社殿
写真3:社殿背後にある巨石群
写真4:境内西側の神宮寺川岸にある巨石
場所:静岡県浜松市北区引佐町井伊谷1150。国道257号線「井伊谷」交差点を西に曲がり、県道303号線(新城引佐線)を約900m、「神宮寺北」交差点(コンビニ「サークルK井伊谷店」がある。)の1つ先の狭い道を西に入る。駐車場あり。
駿河国には、いかにも磐座っぽい磐座がほとんどないが、遠江国には少なくとも2つある。どちらも、式内社の境内にあることも、いかにもそれらしい。その1つが式内社「渭伊神社」境内にある、いわゆる「天白磐座遺跡」である。
「渭伊神社」の創建時期は不明。祭神は品陀和気命、玉依姫命、息長足姫命の八幡三神で、近世には「正八幡宮」と呼ばれてらしい。しかし、当神社は元々、南東約600mにある臨済宗妙心寺派「万松山 龍潭寺」の境内にあったとされ、南北朝時代に現在地に遷座したという。したがって、当神社と境内の磐座は本来、無関係だったということになる。
現在、「龍潭寺」の北に隣接して「井伊谷宮(いいのやぐう)」(後醍醐天皇の第四王子、宗良親王を祀る。)があり、紛らわしい。元々、井伊谷は江戸時代の譜代大名、近江国彦根藩主として有名な井伊氏の本貫地である。「龍潭寺」の南、約200mの田圃のなかに「元祖共保出生の井戸(井伊家の井戸)」が今も残っている。井伊氏は藤原北家の後裔ともいわれる地方豪族で、「渭伊神社」は、あるいはその氏神であったかもしれない。「渭伊神社」という名は、元は単に「井神社」で、和銅6年(713年)の「好字令」によって好字二字に変えられたのではないかと考えられている。祭神も元は八幡三神ではなく、井戸の神だったのではないか。
ところで、「天白磐座遺跡」であるが、当神社の社殿裏の「薬師山」(標高約30m)という小丘に40m四方にわたって約20個の巨石が散在している。発掘調査によれば、手こね土器などが出土し、古墳時代前期の4世紀後葉から平安時代を通じての祭祀遺跡とみられるという。また、経筒外容器も出土し、中世には経塚として利用されたらしい。こうしたことから、平成4年に県指定史跡として指定された際には、「磐座」に限定されることを避けて「渭伊神社境内遺跡」という名で登録された。
静岡県神社庁のHPから(渭伊神社)
玄松子さんのHPから(渭伊神社)
龍潭寺のHP:縁起に「元祖共保出生の井戸」についての説明があります。
写真1:「渭伊神社」境内入口の社号標
写真2:社殿
写真3:社殿背後にある巨石群
写真4:境内西側の神宮寺川岸にある巨石