総社神社(そうしゃじんじゃ)。
場所:秋田県秋田市川尻総社町14-6。国道13号線「若葉町」交差点から北東に約680m進み、左折(北へ)して直ぐ。駐車場あり。
社伝によれば、現・秋田市の「千秋公園」(旧・久保田城)の丘は、元は大嶽山・小嶽山・光明山という3つの頂があったことから「三森山」または「三嶽山」と呼ばれていた。神亀元年(724年)のある夜半に真昼のように明るい神光が飛来し、「我は大己貴神である。当地に神社を建立して祀れば、国中安泰・諸人守護・五穀豊穣をもたらすであろう。」との神託があった。そこで、村人が社殿を建立し、影向の時に天降りした磐座を納めて祀ったというのが、当神社の創建であるとする。そして、第一峯に大己貴神・八重事代主神・味鋤高彦根神を祀る「総社宮」、第二峯に天照皇大神・豊受比売大神を祀る「神明宮」、第三峯に別宮攝末社として八幡大神などを祀る19社があったとされ、これらを総称して「三嶽山総社大明神」と呼ばれていたという。慶長7年(1602年)に佐竹氏が常陸から秋田に移封された際、「三森山」に居城を造営することとなり、当神社はいったん現・秋田市楢山川口境に仮遷座したが、湿地帯であったことから、宝永4年(1707年)に現在地に遷座した。社地を譲ってもらったためか、佐竹氏の崇敬が篤く、大いに栄え、明治時代には県社に指定された。
さて、出羽国の「総社」として当神社を紹介しているケースがあるが、一般的な意味での「総社」(国司の重要な任務である官社の巡拝を省略するため、国府の近くに設けた神社で、そこに詣でれば全ての神社に詣でたことにする、というもの)ではない。「総社」が生まれたのは律令制が緩んでくる平安時代で、当時、出羽国府は現・山形県の庄内地方(おそらく「城輪柵跡」)にあったと考えられる。また、「三森山」も、現在では秋田市の中心市街地であるが、佐竹氏が入封するまで周囲は湿地帯で、水田はあったかもしれないが、国司が巡拝するような場所ではなかったと思われる。当神社も「出羽国総社」であるとはしておらず、おそらく、主要な神々を多数祀っているという意味での「総社」であるということだろう。
総社神社のHP
秋田県神社庁のHPから(総社神社)
写真1:「総社神社」正面鳥居と社号標。神明鳥居からもわかるように、現在の主祭神は天照皇大神となっている。
写真2:かなり広い境内
写真3:社殿
写真4:同上
写真5:神社と関係ないが、近くに珍しいものが。(境内の北西端の向かい側)
写真5:同上(拡大)。普通「石敢當」というが、ここのは「散當石」となっている。「石敢當」は、秋田市内では楢山地区に多いが、当神社の前鎮座地が楢山だったことに関係があるのだろうか(遷座の際、氏子を引き連れてきた?)。
場所:秋田県秋田市川尻総社町14-6。国道13号線「若葉町」交差点から北東に約680m進み、左折(北へ)して直ぐ。駐車場あり。
社伝によれば、現・秋田市の「千秋公園」(旧・久保田城)の丘は、元は大嶽山・小嶽山・光明山という3つの頂があったことから「三森山」または「三嶽山」と呼ばれていた。神亀元年(724年)のある夜半に真昼のように明るい神光が飛来し、「我は大己貴神である。当地に神社を建立して祀れば、国中安泰・諸人守護・五穀豊穣をもたらすであろう。」との神託があった。そこで、村人が社殿を建立し、影向の時に天降りした磐座を納めて祀ったというのが、当神社の創建であるとする。そして、第一峯に大己貴神・八重事代主神・味鋤高彦根神を祀る「総社宮」、第二峯に天照皇大神・豊受比売大神を祀る「神明宮」、第三峯に別宮攝末社として八幡大神などを祀る19社があったとされ、これらを総称して「三嶽山総社大明神」と呼ばれていたという。慶長7年(1602年)に佐竹氏が常陸から秋田に移封された際、「三森山」に居城を造営することとなり、当神社はいったん現・秋田市楢山川口境に仮遷座したが、湿地帯であったことから、宝永4年(1707年)に現在地に遷座した。社地を譲ってもらったためか、佐竹氏の崇敬が篤く、大いに栄え、明治時代には県社に指定された。
さて、出羽国の「総社」として当神社を紹介しているケースがあるが、一般的な意味での「総社」(国司の重要な任務である官社の巡拝を省略するため、国府の近くに設けた神社で、そこに詣でれば全ての神社に詣でたことにする、というもの)ではない。「総社」が生まれたのは律令制が緩んでくる平安時代で、当時、出羽国府は現・山形県の庄内地方(おそらく「城輪柵跡」)にあったと考えられる。また、「三森山」も、現在では秋田市の中心市街地であるが、佐竹氏が入封するまで周囲は湿地帯で、水田はあったかもしれないが、国司が巡拝するような場所ではなかったと思われる。当神社も「出羽国総社」であるとはしておらず、おそらく、主要な神々を多数祀っているという意味での「総社」であるということだろう。
総社神社のHP
秋田県神社庁のHPから(総社神社)
写真1:「総社神社」正面鳥居と社号標。神明鳥居からもわかるように、現在の主祭神は天照皇大神となっている。
写真2:かなり広い境内
写真3:社殿
写真4:同上
写真5:神社と関係ないが、近くに珍しいものが。(境内の北西端の向かい側)
写真5:同上(拡大)。普通「石敢當」というが、ここのは「散當石」となっている。「石敢當」は、秋田市内では楢山地区に多いが、当神社の前鎮座地が楢山だったことに関係があるのだろうか(遷座の際、氏子を引き連れてきた?)。