神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

鏡石(秋田県仙北市)(三湖物語・その7)

2017-02-25 23:49:36 | 名石・奇岩・怪岩
鏡石(かがみいし)。
場所:秋田県仙北市西木町桧木内字相内潟。「御座石神社」(前項)横の駐車場の西側に「潟頭の霊泉」があり、その背後の「高鉢山」(標高571m)の中腹に登る。徒歩10分。
「御座石神社」(前項)の近くに「潟頭の霊泉」があり、この清水を飲んで辰子が龍に変身したと伝えられる。そして、その背後の山道を300m程登ったところに「鏡石」と呼ばれる岩があり、信仰の対象になっている。伝承によれば、辰子がまだ龍に変身する前、この辺りによく山菜を採りに来ていた。当時、この岩は鏡のように磨かれていて、辰子は姿を映して化粧をしたという。結構大きな岩で、下の写真ではわかりにくいが、正面から見ると六角形をしているという。「正面から見ると」というが、急な崖の中腹にあって近づけず、特設の展望台から眺めるようになっている。因みに、田沢湖も上から見ると六角形をしており、関連があるのではないかという説や、「高鉢山」も円錐形で、いわゆる「神体山」の特徴を備えていることから、辰子姫の伝説を別としても、神秘性を感じさせる場所として信仰の場所だったという考え方もあるようだ。


写真1:「潟頭の霊泉」の祠


写真2:「潟頭の霊泉」。今も清水が盛んに湧いており、水面が波立っている。


写真3:「鏡石」に向かう途中にある「願橋」。願い事を橋に書いて、「鏡石」に祈ると願いが叶うという。


写真4:「願橋」の傍にある「かなえる石」。「鏡石」に願いをかけた後、帰り道でこの石にも祈るとなお願いが叶うとか。


写真5:「鏡石」
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御座石神社(秋田県仙北市)

2017-02-18 23:52:43 | 神社
御座石神社(ござのいしじんじゃ)。
場所:秋田県仙北市西木町桧木内字相内潟1。国道341号線「小先達」交差点から秋田県道38号線(田沢湖西木線)に入り(西へ)、田沢湖湖畔北辺を約6.8km。駐車場有り。
伝承によれば、田沢湖の水面と等高で畳のように平らな岩があり、慶安3年(1650年)に久保田(秋田)藩第2代藩主・佐竹義隆公が腰をかけて休んだことから「御座石」と名付けられたところに、文化8年(1811年)に第9代藩主・佐竹義和公が巡見の際に社殿を建立して休息所とした。ただし、神社としての創始は、室町時代に熊野の修験僧が龍神を祀ったことによるという。よって、近世には「龍神社」と称していたが、明治44年に「御座石神社」と改めたという。現在の祭神は事代主神・綿津見神・龍神(龍子姫神)で、境内(社殿脇)には上半身が人間で下半身が竜の姿をしたブロンズ製の「たつ子姫」像がある。
なお、「御座石」の上に「雨乞石」があり、これに触れて祈ると忽ち雷風雨を呼ぶという。そして、その傍に生えている樹木は「七種木(なないろぎ)」といい、松・杉・桜・槐・梨・エゴノキ・ハンノキの七種類が1株の木になっているというもので、「雨乞石」を守るため自然に生えてきたといわれている。


秋田県神社庁のHPから(御座石神社)


写真1:「御座石」に立つ「御座石神社」の鳥居


写真2:「御座石神社」


写真3:社殿脇にある「たつ子姫」像


写真4:「御座石」の端にある「雨乞石」と「七種木」


写真5:同上


写真6:同上


写真7:「雨乞石」のアップ
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大蔵神社(三湖物語・その6)

2017-02-11 23:04:35 | 神社
大蔵神社(おおくらじんじゃ)。通称:大山(おやま)。
場所:秋田県仙北市田沢湖岡崎字鳥居野22-1。「辰子姫誕生之地」(前項)の手前、約2km。「さとう酒店」の先(北)、約140mのところを東に入る。道路沿いに説明板がある。駐車場なし。
創建年代不明ながら、一説によれば、坂上田村麻呂将軍が東征の折、大同2年(807年)に凱旋するに当たり、京都「清水寺」の千手観音を勧請したものという。「辰子姫」の伝説(前項参照)でわかるように、田沢湖の南側(現・田沢湖岡崎)から「院内岳」(標高751m)を越えて田沢湖の南岸(現・田沢湖潟)に至る道があり、近世には、その中腹に鎮座して「大蔵(山)観音」又は「院内観音」と呼ばれ、牛馬の神として参詣が絶えなかったという。明治の神仏分離により「大蔵神社」となったが、風雪の被害による老朽化のため、平成7年に現在地に遷座したという。現在の祭神は、大国主神ほか。
この「大蔵神社」が、辰子姫が願をかけた「大蔵観音」の後身のようである。というのも、「大蔵神社」の旧・鎮座地(仙北市田沢湖岡崎字大倉沢1)には、今も「辰子像」が祀られているのである。「辰子姫誕生之地」の先(北東)、約100mで舗装路は尽きるが、向かって右側の方に林道が続いている。林道を約1.5km(東へ)進んで左折(北東へ)、約1kmのところに案内板があり、更に約1km進んだところが目的地。一応、自動車でも行けないことはないと思うが、特に最後の約1kmは砂利だらけの坂道が続くので、徒歩をお勧めする。さて、そこに、ごく小さな堂があり、中に彩色され、龍を巻き付けた、素朴な感じの女神像?が祀られている。この辺りが「大蔵神社」の旧社地で、今も「辰子像」だけが残されているらしい。


写真1:「大蔵神社」


写真2:「大蔵山観音」。「大蔵神社」入口から南へ、約60m。


写真3:林道から少し入ったところにある辰子像の小堂。うっかりすると見逃しそうである。


写真4:同上、近づいてみる。


写真5:同上、龍を巻き付けた辰子の木像が祀られている。
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辰子姫誕生之地(三湖物語・その5)

2017-02-04 23:59:39 | 伝説の地
辰子姫誕生之地(たつこひめたんじょうのち)。
場所:秋田県仙北市田沢湖岡崎字神成沢。わかりやすい案内が難しいが、神代中学校付近の北、約5km(直線距離)。道路際に案内板がある。駐車場なし。
伝承によれば、旧・院内村の神成沢に安倍三之丞という家があって、辰子という美しい娘がいた。辰子は、永遠の美を願い、「大蔵山千手観音」に百日の願かけをした。その満願の日の夜、夢の中に観音が現れ、「ひたすら北へ向かい、清らかに湧いている泉の水を飲めば、願いはかなえられるだろう。」とのお告げがあった。そこで、辰子は村の北にある「院内嶽」を越え、更に北に進むと泉を見つけた。その泉の水を飲むと、いつまでも渇きが収まらず、飲み続けているうちに、俄かに空が曇り、雷が鳴り豪雨が降りだした。山が崩れ、谷が裂け、見る間に大きな湖ができた。そして、辰子は巨大な龍に変身していた、という。これが田沢湖と辰子姫の物語である。
さて、その辰子(姫)の誕生の地、神成沢に木碑と物語の説明板が設置されている。そして、そこに辰子の墓とされるものもある。墓といっても、辰子は「永遠の美(命)」を得たはずなので、下に辰子の死体が埋まっているはずはないが・・・。


写真1:「辰子姫誕生之地」の木碑。後ろの土手を進む。なお、奥の民家は、辰子とは無関係らしい。


写真2:「辰子姫伝説」の説明板


写真3:辰子の墓、とされる石碑。ただし、どれが辰子のものかは、よくわからない。


写真4:五輪塔?
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