眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

プロレタリア芸人をたずねて

2015-02-04 18:07:41 | 気ままなキーボード
「プロレタリア芸人って置いてますか」
 プロレあたりで一度噛んでしまった。やはり、言い慣れない言葉は駄目だな。こちらになりますという反応もなきにしもあらずと思っていたが、店員の対応はこちらの方へどうぞと検索用のパソコンが置いてある角に導くものだった。
「もう一度お願いします」
「プロレタリア芸人、とかいう奴です」
「申し訳ございません。そちらの商品はただいま品切れになっております」
 早くも売り切れとは、一足遅かったか。
「お取り寄せが確実かと……」
「ふらっと立ち寄って、並んでいる場合もあるんでしょう?」
 僕は断固としてお取り寄せを拒んだ。
「運がよければ」
 一冊の本をたずねて街を歩く。そうした楽しみを、手放すのは惜しかった。手に取る前に読書は既に始まっている。
「プロレタリア芸人か……」
 駅前のイオンで、手にすることはまだできなかった。
コメント
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