春の珍事

あみじゃがの
ジェネレーションが
不意に長
ランを着込んで
芋となる春

「アジフライ」


駅長が
お詫びに走る
まる５秒
勇み進んだ
朝があったの

「エオマイア」


黄金の
達磨を追った
犬の尾が
しししと振れて
西を向く春

「お大事に」


浮ついた
単細胞の
一着に
ひっくり返る
鳥刺しの棋士

「うたいびと」


ひふみんの
名のつく銀が
マシンガン
ツールにのって
竜となる春

「ひなまつり」




春の珍事（折句）

猫と幽霊

心地よい隙間風が吹く
空き家に幽霊は住み着いている

時々猫がやってくる
数はだいたい０か１

時々鳴きやまない猫がいる
幽霊はこっそり猫の背を撫でてしまうけど
ほとんどの猫は気づかない

全身の毛を逆立てて
暴れ回る猫がいると
幽霊は少しうれしくなって
家の中で踊り出してしまう

その時は窓がカタカタと音を立てて
拍手をしてくれる

改行ティアーズ

黄金のものづくりメンテナンスが泣かせる改行心のサムライ

（折句「おもてなし」短歌）