眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

可もなく不可もなく

2020-08-05 08:24:00 | ナノノベル
僕は聞くともなく聞いていた

ラジオは語るともなく語っていた

窓は開くともなく開いていて

風は吹くともなく吹いていた

木はそよぐともなくそよぎ

パジャマは着るともなく着られていた

僕は眠るともなく眠っていた

音楽は流れるともなく流れていた

石は磨くともなく磨かれ

夢はかなうともなくかなっていた

戦士は戦うともなく戦い

走者は走るともなく走った

星は数えるともなく数えられ

願いは願うともなく願われた

猫は笑うともなく笑い

おばあさんは語るともなく語った

僕は聞くともなく聞いて

惑うともなく惑った


「いやどういうことやねん!」


チャカチャンチャンチャン♪


「何? 一言で何なの」
「僕はツッコミなので」

「勝手なものだね。順に説明しようか?」
「いやー、そこまで食いついてないです」

「いや興味ないんかい!」
「もうええわ」


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