眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

記録するサル

2021-01-09 10:35:00 | 幻日記
 ライオンが歩いてきた。ライオンが歩いてくるとはこのことだ。狐に毛が生えていた。狐に毛が生えるとはこのことだ。まさにこのことよの。のーサルよ。サルよ、おるかー。虫が飛んで日が暮れてきた。虫が飛んで日が暮れるとはこのことよ。まさにこのことよのー、サルよ。サルよ書いておけ。

 もうすぐ雨が降りそうだ。雲行きが妖しいとはこのことよ。俺たちは横断歩道を渡る。横断歩道を歩いて渡るとはこのことよ。疑うまでもないことよの。のー、サルよ。まるで見たままのことよ。疑ってかかるのは愚か者よ。
 まったくよのー。
 そこも誰かが歩いて渡ったところだろう。俺たちはたどったところをなぞっているだけかもしれん。のー、サルよ。面白いのー。みんな書かねばならんぞ。

 ライオンが我が物顔で歩いておる。我が物顔で歩くライオンとはこのことよ。のー、サルよ。税が上がり雨が降り雷さえも鳴り響く。そんな時にライオンは我が物顔で街を歩く。流石のライオンとはこのことよ。のー、サルよ。流石にここは漏らさず書かねばならんのー。忙しいのー。
 サルは誠に忙しいのー。

 なんだなんだ、背中に羽が生えてきた。背中に羽が生えるとはこのことよ。のー、サルよ。
 サルよ、おるかー。
 ちゃんと書いておけ。

 俺たちの記憶はデタラメよのー。
 だから記録して残すべきよの。


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