眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

将棋ウォーズのテーマ

2021-02-05 02:56:00 | 将棋の時間
・序盤は難しい

 将棋の初手はだいたい何を指してもいいらしい。
 角道を開けるか飛車先を伸ばすかというのは、常識的な一手。定跡へとつながる道筋に過ぎないようだ。端歩を突いてもいい。真ん中の歩を突いてもいい。いきなり玉を動かしても、決定的に悪くはならないのかもしれない。0から自分で考えることは大変だ。だいたい上手い人の真似をする方が上手くいく。真似ているつもりでも、ちょっとしたところで差がついてしまう。時に、序盤の差は決定的だ。勝ち目のない終盤にいきなり突入することだってある。終盤は玉に向かっていけばいいが、序盤はいきなり寄せを描くというわけにはいかない。だから難しい。


・3分切れ負け

 時間がない時には、3分切れ負けルールが最適だ。接戦になったとしても必ず6分で終わるというスピード感は素晴らしい。その分、考えている時間はほぼないと言える。とにかく多少間違えたとしても、手を止めずにぽんぽんと指していくことが重要だ。考え込んでしまっては、すぐに時間がなくなって形勢がよくても時間切れになってしまう。そうは言っても大きく間違えすぎて形勢を決定的に損ねると、時間があっても勝てない。(だいたい指し手に困るほど悪くなると時間も減っていくものだ)だいたい時間で勝とうとして勝てるものでもないし、そもそも上達志向の人からすれば無意味でもある。直感的にどれほどの精度を保てるか。それが3分切れ負けのテーマだろう。(仮にぼろ負けになったとしても短い間に教えてもらったと思えれば意味のある敗北だ)


・中盤は難しい

 中盤の難所と言うほど将棋は中盤が難しい。よくなる順があるはずなのに、具体的にどう指していいかわからない。ここで上手い手を指せば勝てるはず。そういう局面では、じっくり腰を落として考えたいものだ。しかし、将棋というものは、たくさん考えたからといって必ずいい手が指せるというわけではない。むしろ考えた末に悪手を指すことも多いくらいである。どれだけ考えても自分の実力からは導き出せない。そういう手も存在する。短い持ち時間の将棋ウォーズでは、どんな難しい中盤でも悩んでいる時間はない。


・10分切れ負け

 じっくり指したい時には、10分切れ負けルールを選択する。決して長いとは言えないが、3つの設定の中では相対的には長いと感じることができる。難しい局面で何度か手を止めて1分ほどの長考!をすることができる。また、3分切れ負けではすべての手をほぼノータイムで指さなければならないが、10分切れ負けではそれに比べればまだ熟考!することができる。時間の使い方にメリハリをつけられることで、持ち時間が減っていく切迫感を体験することができる。多少は考えられる(考えなければならない)が十分ではない。このじりじりとした環境が、将棋脳を鍛えるのではないだろうか。


・終盤は難しい

 詰将棋に自信がある人は終盤に多少は自信があるのではないだろうか。しかし、実戦の終盤は詰む詰まないの単純な話ではないし、局面によっては複雑極まりない。30秒の秒読みでは、トッププロであっても間違えることがある。普通の人間であれば普通に間違いまくるのである。ちょっとした手順の差で寄っている玉が寄らなくなる。方針の迷いからミスを連発する。一度自陣に手を戻せば難しいが、下手に攻めて必敗になる。それが早指しの終盤の日常だ。終盤を甘くみてはならない。失敗を繰り返しながらも、直感力を鍛え感覚を明るくしていくことで、精度を高めていきたいものだ。


・10秒将棋

 ちゃんと将棋を指したいなら(最後まで指すなら)切れ負けでなく、10秒将棋を選ぶべきだろう。これには1局にかかる時間が可能性としては無制限でよいという条件がつく。早ければ5分で終わるかもしれないが、非常に競った場合、可能性としては30分を超えたり、持将棋模様となり1時間を超えるということも考えられる。純粋に直感を鍛えられ、必ず詰みまで指したいという時は、これがベストの選択だ。(切れ負けでは、完封を狙うよりは踏み込みがちだ。長期戦というスタイルに向かない。詰まされている方がルール上勝ってしまう。様々な特殊な事情が働く。将棋というルールの半分くらいが「時間」に持って行かれる。ウォーズにはまだフィッシャーという設定はないようだ)
 一番実力が出やすいのは、この10秒将棋かもしれない。よほど直感力が優れていないと、10秒で正着を指し続けることは不可能。どこで空中分解してもおかしくはないし、大逆転もあり得るだろう。


・将棋は難しい

 序盤、中盤、終盤。
 どこを取っても将棋は人間には難しすぎる。
 難しいから間違えてしまう。
 難しいから考えることができる。
 考えればよくなる道筋がありそうだ。
 そう思って考えることは楽しいことだ。




・あなたは本当に生きた人間か

 顔の見えないユーザーたち
 画面の先に見えるアバター
 noteの街の住民たち
 疑い出せばきりがない
 あなたが人間らしく思えるなら
 きっと人間だ


・わからないというサスペンス

 次はどんな相手がくるだろう
 どんな手が飛んでくるだろう
 好きな曲を自分で再生することもできるけど
 ラジオからそれが流れてきた瞬間の
 あのわくわくする感じ


・あなたは何のために指すのか

 チャンピオンになりたいのか
 それとも
 頭の体操、指の運動
 気晴らしのため?
 だったら勝ち負けなんて関係ない
 強くならなくたって構わない
 自分の好きなように指せばいいじゃないか


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