「5千円お預かりします」
ん?
何か妙な間があった。
見つめれば1万円札だ。
失礼しました。
「1万円お預かりします」
客はいえいえという笑顔だった。
1、2、3……。そして10枚の千円札を手渡した。
それは見慣れないタイプ。少し前に出てあまり世間に流通しなかった1万円札に違いない。よく見ると札の端が5ミリばかり破れていた。念のためにそれを手にして事務所に持ち込んだ。支配人がいた。
「これ。少し破れてますけど……」
ん?
何か妙だった。
見つめるとそれは玩具のようだった。
しまった! やられた!
あっ。あれだ。出てきます。
「ちょっと、これ!」
客は偽物であると素直に認めた。
返して!
「返す返す」
男は小さな声で言った。(あとで返す)
今すぐに!
「返す返す」
ささやきながら、男は徐々に縮小していった。
ん?
何か妙な間があった。
見つめれば1万円札だ。
失礼しました。
「1万円お預かりします」
客はいえいえという笑顔だった。
1、2、3……。そして10枚の千円札を手渡した。
それは見慣れないタイプ。少し前に出てあまり世間に流通しなかった1万円札に違いない。よく見ると札の端が5ミリばかり破れていた。念のためにそれを手にして事務所に持ち込んだ。支配人がいた。
「これ。少し破れてますけど……」
ん?
何か妙だった。
見つめるとそれは玩具のようだった。
しまった! やられた!
あっ。あれだ。出てきます。
「ちょっと、これ!」
客は偽物であると素直に認めた。
返して!
「返す返す」
男は小さな声で言った。(あとで返す)
今すぐに!
「返す返す」
ささやきながら、男は徐々に縮小していった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます