
鬼が大笑いしてから未来の話は下火になっていった。
「絵空事だ!」
それも今だから言えること。みんなは本当はわかっていた。奇抜なアイデアを出したつもりでも、現実はずっと想像を超えていってしまうと。その時になればわかるよと誰かが何百年も生きるように言った。それよりも本当の話をしよう。それは歴史の話。みんなの大好きな英雄の話。男だった。女だった。英雄だ。裏切り者だ。あとから盛ったのよ。「麒麟はくるの?」偉人でしょ。「麒麟はもうきたじゃない」
「絵空事だ!」あの人それしか言わない。歴史も今となってはみんな幻のようにとらえることもできる。酔いがまわって私たちは今に焦点を当て始めた。寒くない? えっ、寒くないよ。暖かいよ。えっ、ここ? まだ2月だよ。もう2月か。
「あっ、猫!」
どこ? えっ、何? もう行った。あー。腹減ったね。何か頼む?
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騒々しき小鬼たちに囲まれた
執筆はアルコールの仕立て
(折句「そこかしこ」短歌)
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