「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

八ヶ岳西麓原村の2月(5) アンコール・エヴァバーン(1) 使ってみてその機能を考える

2010-02-25 12:43:02 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
寝る子は育つ。いやぁ~よく寝る子だ。寝るわ寝るわでどんどん育ってしまい、困っている。我が山荘の薪ストーブ、アンコール・エヴァバーン(以下「EE」)の前の特等席をいつも確保するこの子。



米国ヴァーモント・キャスティングズ社(以下「VC」)製薪ストーブのほとんどは、トップ・ローディングを売り物にする。このEEもそうだ。トップ・ローディングとは、ストーブの天板を開けて薪を補給する仕組みを指す。それは何もVCの専売特許ではない。しかしながら世界に数多い薪ストーブ・メーカーの中で、ここまでトップ・ローディングに熱心なメーカーは珍しいのである。



ご覧のとおり天板のふたを開けて薪を入れる。慣れると点火時からその後の補給まで、ここだけで済ますことも可能だ。以前私が使っていたドイツ製のストーブは天板、側面、前面に蓋があり、薪の補給がその3か所から可能であった。このEEは天板と前面の2か所から可能である。



ただし、どう見てもEEの前面扉は、薪の燃焼中に開け閉めするような形態ではない。下の画像でご覧のとおりである。観音開きになっていて、しかも閉め方が少しややこしく、あまり俊敏な動きは出来ない。

別荘族が優雅に使う薪は長さも揃ったキレイな「絵に描いたような薪」だが、世の中の薪にはいろいろある。永住者であれば、あるいは別荘族でも、コストや使用量を考えていろいろな方法で安い薪を買うか、あるいはタダで取りに行く必要もあるだろう。長いものも混じるし、そんなバラバラなモノをいちいちチェーンソーでキレイに切りそろえるのも大変だ。しかし少々長くても、トップ・ローディングの機能があれば、上からストンと落として簡単に薪を補給することが可能となる。そうすると、なんとか長いままの薪もそのまま使いこなせるのである。しかしそれを一旦やり始めると、燃焼中はもう怖くて前面扉など開けられない。前面扉を開けると、扉にもたれた火のついた薪がポロリと外に落ちて来る可能性もある。一旦燃焼したら前面扉は使わないのが基本である。



炉内にはアンダイアンと呼ばれる2本のバーが立っている。これは前面ガラスに薪が倒れて来ないよう、また炉内クッキングの準備をする時に外に薪がこぼれ出さないように、付けられたものだ。



安全なトップ・ローディングに慣れるとそれ以外は不要となり、右側面にもはや扉はない。あるのは空気取入口の調節レバーのみ。



左側面も同様だ。あるのはダンパーの開閉レバーだけである。前面扉はすでに説明したようなデザインであり燃焼中は開閉しないので、薪の補給時に使うのは天板の扉のみになるのである。



EEだけでなくVCのストーブの多くが、ウォーミング・シェルフ(ストーブ本体の両袖に突き出した網棚)をオプションとして備えているのも、こうした背景があってのこと、それなりに理由があってのことなのだ。ストーブの天板の上には鍋、スティーマー、ケトル等が載せられていることが多い。ところが薪の補給をVCのストーブでは基本的に天板の蓋を開け閉めして行う。そうであるとするとこのシェルフはオプションと言うよりは必需品で、天板の蓋を開ける際に、その上に載せられた鍋、スティーマー、ヤカン等をちょっと横へずらせておくためにも必要なのである。だからストーブ本体購入当初からシェルフも取りつけておいた方が良い。もちろん薪の補給時だけでなく、天板の真上に鍋などを置いておいては料理や湯が煮えたぎってしまいそうな時にも、かなり便利に使えるものだ。

さらにオプションでシェルフから突きだすミトンラックがある。これが便利だ。濡れた手袋、タオル、ふきん等をストーブのすぐそば数cmのところで乾かすことが出来る。VCはなかなか商売上手なのである。決して悪い意味で言っているのではない。「買う価値がある」とユーザーが思えば、そのユーザーが買うだけの話だから。



炉内の燃焼状態が巡航速度のような状態に達した時、こんな感じになる。燃焼中、炉内手前に風の流れを作り、前面ガラスを自動的にクリーンにする驚くべき機能がEEにはある。のんびり屋の私は、個人的には、3台目の薪ストーブにして初めて経験した機能だ。だから我が山荘ではストーブ前面ガラスを磨くということをする必要がない。



ナラの薪。木目がキレイなので家具にでもしたい感じだ。燃やすのがもったいない。



点火して火をどんどん大きくして炉内を暖め、やがて一定の時間が経ち空気取入口とダンパーを調整して行くと、ビタッ!とこのあたりの温度(250度近辺)に落ち着かせることも可能だ。あまりにお利口で驚くVCのEE。



寝る子は育つ。いつまでも寝ているデカイ子。温かいよぉ~、眠いよぉ~。

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八ヶ岳西麓原村の2月(4) 玄関から中を見渡せば全体が把握出来るほどの狭い山荘の楽しさ

2010-02-25 00:00:09 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
暗闇に包まれた山荘。デジカメも進歩したものだ。最低価格帯の私のデジカメでも、暗闇でガンガン画像を撮ることが出来る。

この山荘は非常に小さい。これが竣工した時、この別荘地で周囲を見渡すと最も小さい建物だった。山荘を持ちそこに通うという非常に非エコ的な行為の中では、最もエコ的な選択をしたのである。しかしその後10年以上の月日が経過し、近くに私の小さな山荘を面積で下回るであろう、より小さな山荘が3つほど建った。ちょっと残念で「負けた!」と言う気分である。



八ヶ岳山麓での別荘建築実績が最長の部類に属するビルダー集団ブレイスの代表、丸山氏と私が随分昔に締結した、この山荘の請負工事契約書を開くと、平面図はおよそ8.2m×6.0mの長方形をしている。それが1階の床面である。さらに屋根裏部分はその半分弱の面積があり、それが2階部分を構成している。都会とは異なり、敷地面積がそれなりにあって建ぺい率等の制限が問題にならない別荘地では、この「8.2m×6.0mの長方形」はかなり小さい建物に属するのである。

下の画像は我が山荘の吹き抜け部分の天井を写したもの。大きく見えるかもしれないが、そうではない。誠にかわいらしいものだ。追って説明する。
 


ではそのために階段を上がりましょう。



細い階段を上がると、スグにこのようになる。ここが屋根裏(=2階)である。カネ勾配(=45度の傾斜)の天井が迫って来る、本当に「屋根裏」と言った具合の場所だ。寝室として使っており、ここにはベッドがあるだけ。それ以外にモノを置く空きスペースもない。屋根裏の周囲は1階に人が落ちないように手すりで囲まれているだけで、個室の形式はとっていない。そうなのだ。この建物の中に「個室」はないのである。この屋根裏ではただ寝るくらいのもので、起きている時間はすべて1階で過ごすことになる。



どんどん進む(と言っても数メートルだけ)と、手すりがあって、その向こうは吹き抜けになっている。手すりにもたれて下を覗いてみよう! そこがどんなに小さいかわかる。



ほらっ!右手にダイニング・テーブル。



左手にベンチとテレビ。真ん中は薪ストーブ。ストーブの下に丸まっているのは犬。人間も一人写っているが、それは妻である。上の写真と下の写真を合わせると、ストーブを挟んで、左右の距離が合計6メートルちょうどだ。奥行きは3メートル弱。これがこの山荘の生活スペースのすべてである。他はキッチン、物置、トイレ、バス、洗面くらいだ。「あら、狭いわ、信じられないわ、それじゃあ私はくつろげないわ、友達も恥ずかしくて呼べないわ」などと言う豪華別荘オーナーの批判、嘲笑も聞こえて来そうである。



負け惜しみではないが、我々夫婦にはこれ以上のスペースは必要ない。たかが山荘である。面積を増やし個室をつくり壁であれこれ仕切ると、薪ストーブひとつで全体を温めるのも大変だ。山荘の中ですることは食事、読書、昼寝くらいである。呼ばなくても遊びに来るような友人には遠慮など要らない。そんな人達が泊まるなら雑魚寝してもらえばよい。だから個室もない。

別荘を作るとどうしても友人を呼びたくなる。「とってもいいところだから、是非泊まってね。遠慮は要らないんだからね!」と新米別荘オーナーは友人達に言うのだが、そう言われた友人の多くは正直なところ躊躇することだろう。別荘を楽しみ、そこで本当に心からくつろぐことが出来る人はその別荘のオーナー自身だけだと、新米オーナーは心得よ。

同じく屋根裏から見た図。角度を変えれば玄関が見える。しかし何もない山荘だなぁ。



寒冷地であるからして、気密性は高い方が何かと楽だ。低温なので夏のカビの問題もない。マーヴィン社の木製サッシは信頼性が高い。私が以前所有していた山荘、以前の自宅もすべて窓はマーヴィンだったが、非常に品質が高い。同じ型がいつまでも生産されていて、番号を調べれば部品交換も容易だったので驚いた。日本のサッシメーカーも次から次と新製品ばかり作ってないで、基本形を定めてそれを作り続けてはどうだろうか。



外は厳寒。でもマーヴィンのサッシを閉め、小さな山荘で薪ストーブを焚けば中はポカポカ。マーヴィンさんって素敵。

 

小さく質素な玄関ポーチ。コンクリートのままなのだ。荒っぽい使い方だとこれも似合う。ただし、コンクリートって素材は新しい間は様にならない。多少こなれるのに時間が必要だ。白いのは雪。気温が低いのでサラサラ。塩みたいに見えるでしょ。

コメント (4)
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