「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

住民協定違反の取引に関して会合@七里ガ浜

2009-11-24 14:39:02 | 環境・土地
またもや七里ガ浜住宅地の住民協定の話。大半の住民が不利を承知で環境維持のために守り続けている住民協定。そうした協定がある当住宅地の良好な環境を全体から享受しながら、自分だけは協定を守らず土地分割売買取引で何がしかの経済的メリットを受ける。それがいかに不公正であり、その取引の結果、当住宅地の景観がいかに劣化しているか。それについての詳細は先日住民協定の捉え方@七里ガ浜東(1)http://blog.goo.ne.jp/kama_8/e/931b3faf1cd63388051d7a316261aff7同(2)http://blog.goo.ne.jp/kama_8/e/38d37c07021b272ce30f78fd42024e3bで書いた。

その時掲載した画像がこれだ(下)。この区画については不動産業者と自治会役員の間で何度か話し合いは持たれていた。ここは当住宅街の景観のシンボルでもあり誰もが笑顔で散歩するプロムナード沿いの土地である。自治会としては当然ながら、住民協定の順守を業者に訴えた。業者は「努力する」と言ったが・・・そんなわけはない。いつもの通りだ。当初から2分割案の広告をつくり、その広告を手にした土地購入希望客が次々と現地にやって来た。



前回予測したとおりの工事が行われた。道路に面した大谷石の石組みは全部撤去された。枝が見事な巨木も切られた。ここを2分割すれば、土がもっと掘られ、2軒の家のための駐車場と、通路(あるいは門)が出来てそれで目一杯の敷地の長さとなる。石段はなくなり、敷地の一辺が道路からフラットにコンクリートで固められよう。大谷石も生垣も巨木もそこにはないだろう。

住宅地の景観の豊かさは、まずは緑の多さ、そして高低差や道の曲がり具合等の変化でほぼ決まる。それにはある程度の敷地の余裕が必要で、大谷石の石組みがあり、生垣があり、その向こうに背の高い木が見える様子を見て、住民は安心するのである。それを守るため、住民は住民協定を定めたのであり、自主まちづくり計画が存在するわけだ。どちらも住民の合意を経て市役所に届けられている。



敷地のど真ん中に打ち込まれた境界。2分割である。「努力します」などまったく口先だけのことである。2分割した方が、早く、そして合計金額では高く売れるからで、彼らは最初からそのつもりだ。



下の画像は古いものである。今回の工事で、すでに高い桜の木も含めて右半分の景観が吹っ飛んでいる。



自分達の街の協定、自主まちづくり計画には合意し、市役所にも誇らしげに届け出て、自分がこの街に住んでいる間はその恩恵を受ける。しかし自分が街を出る段階で「後は野となれ山となれ」と無配慮に業者に売却する住民。業者が「土地を買い取りたい」と言って来たら、かなりの確率で、その土地はその後分割され売却されると思ってよい。「業者に土地を売る=間接的に自分は協定を破っている」と住民は考えるべきだ。

そして業者はそのことで散々自治会と揉めておきながら、その事実は隠して何も知らない買い手に分割された土地の購入を勧める。重要事項説明も何もあったものではない。買い手も住宅街を歩けばここが住民協定地域であることくらいはわかるはずである。だってあちこちにその「分割は出来ません!」と書いた看板が立っているのだから。

法律的に罰則規定がなければ何をやっても平気、というのは文化的にはただの野蛮である。こうしたことが頻発しているので、先日自治会役員の一部と市役所の関係部署とで会合があった。私は自治会役員ではないが、それに係わっているので参加することになった。



上の画像はその時市役所から配布された資料だ(当住宅地の自主まちづくり計画についてのページ)。市役所からは自治会として何が出来るか、ということについて、とても有意義な話が聞けた。過去の例や市内、市外での動き。住宅街での合意形成の手法。いろいろな情報がもらえた。その話の中で、不見識でただ強欲なだけの業者を相手に市役所の担当部署がどれだけ苦労しているかも垣間見た気がする。なんでも出席してみるものだ。

そしてあれこれ意見交換して、質問もずいぶんさせてもらった。こちらがその気になれば、いろいろと協力してもらえるように見受けられる。



最近住宅街内で、こうした新しい掲示を見た方もおられよう。これは土地を買い取り分割し売却しようという業者、あるいはその土地の一般購入希望者へ向けたものだ。自治会の役員の皆さんは、ボランティアなのに広範囲な問題を抱えて多忙である。この問題でも、ものすごい時間を割いておられる。業者との話し合いもしゅっちゅうである。業者の中には態度が極めて悪く、机を叩いて退出して行く連中もいると言う。

そうした役員の皆さんの時間的、精神的負担を経て、なんとか維持されている環境。それをなんとも思わず、ぶち壊す取引をする住民や業者。



業者が「土地を買い取る」と言ったら、それはほぼ土地分割取引につながるということを、土地を売る人はよく考えて頂きたい。また買う人も同様だ。良心的な業者なら最初から当住宅街の住民協定についてもっときちんと説明するはずだ。私がここの土地を買う時の業者もそうだった。見るからにきちんとした担当者は私に「当社はここでは住民協定違反の分割取引は手掛けないようにしているので、協定基準に照らして適格な土地を選んで買ってくれ」と言った。買い手は、まともな業者とつきあった方が良い。そうでないと、結果として、彼らの協定破りに加担したことになる。

「江戸しぐさ」というものがある。都心の地下鉄で座席に座る時は、体をすぼめて両隣になるべく当たらぬようにする。狭い歩道で雨傘をさしてすれ違う時は、お互いが歩道の両端に遠ざかり傘を歩道の外側に傾ける。別に法律ではないが、これが混みあった場での洗練されたマナーである。それと同じで、密集した当住宅街にこれから新参者として住むことになる人は、普通の人なら、以前から当住宅街に存在したルールやマナーと異なる行動をするのに抵抗があるはずだ。ちゃんと事前にそのルールやマナーについて十分な説明をしてくれるような業者と取引することが必要と思う。住民協定は住民自身が決め、明文化され、市役所にも届けられたルールなのだから。
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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (マチナミ)
2009-11-27 08:03:15
例の土地は分割されてましたか。
残念です。
住民協定破りは違法行為とは言えないのでしょうか?
罰則規定がないだけではないのでしょうか?
違法性があるのいなら、分筆を認めた法務局に非はないのでしょうか。

市役所の方々も苦労されているようですね。
ただ、悪徳業者に机を叩かれ罵声を浴びせたりしているのであれば、脅迫行為で訴えられないのでしょうか?
また警察がよく使う公務執行妨害で検挙できないのでしょうか?
なんらかの刑事罰を与えていければ、宅建免許取り消しも可能と思いますが。
役所も我慢し過ぎにならず、ことながれ主義に走らず、社会悪に立ち向かって欲しいです。
返信する
Unknown (おちゃ)
2009-11-27 09:02:28
マチナミさん

いつも有難うございます。
違法行為とみなすのは難しいようですね。
残念です。

マチナミさんの前回のアドバイスを受けて、
実は私、県の宅建業を監督している部署にも話を
聞いたのです。「宅建業者は重要事項説明の義務を
果たしていないのではないか」と問うたのです
が、法律的には重要事項説明に「住民協定
等を説明せよ」とすら書いてないので、
土地の売買契約書に「協定あり」くらいが
書いてあればそれ以上責めることも出来ない
とのことでした。

またそもそもそうした取引では買い手も薄々
協定の存在知りながら土地を買っている。だから
買い手からは業者の協定に係わる重要事項説明
のやり方についてクレームを県に言って来る
者もいない。重要事項説明は買い手を守る
ものなので、買い手から文句が出ない限り、
県は宅建業者に指導も処罰も出来ない。

そういう結論でした。残念。

マチナミさんの言うように、役所が法律の
運用を変えるか、新法をつくるかが必要で、
一方住民は出来うる限りのことを並行して
するしかないようです。
返信する
Unknown (マチナミ)
2009-11-27 19:44:28
住民協定は違法行為ではないのですか。
残念です。
県の宅建業を管理する課もだめですか。
買い主のみの保護をうたっているのですね。

ならば、宅建業者が通常加入している団体はどうでしょうか。
有名なところでハトのマークの全国宅地建物取引協会連合会や全日本不動産協会といったところです。
住民協定違反を前提にその土地を売りに出している会社が加盟している協会に、まずは一般論として住民協定の扱いをどう考えいるかを、聞かれるのはどうでしょうか。
そこの会則では住民協定の扱いどうしているのか。または住民協定違反を奨励する取引をしている会員の扱いをどうしているのか。
または今後どうのようにしようとしているのか。コンプライアンスを重んじる世の中でどう考えて行くのかを聞くのもいいと思います。

そういった内容を弁護士名で聞くのもいいかもしれません。
無責任な応対はとれないでしょうから。
自治会役員にいませんかねえ。
返信する
Unknown (おちゃ)
2009-11-27 19:59:16
マチナミさん

それもひとつの手ですね。
神奈川県だけでやっても意味がないことも
あり、全国組織に訴えるのがいい。
どう出て来るかわかりませんが、
今度やってみましょう。

なんだか「法的に決めもないので、
協会員の自主性にまかせるしかない・・」
なんていう答えのような気もしますが。

また結果をお教えします。
返信する
Unknown (マチナミ)
2009-11-27 20:15:47
管理人さん、おちゃさん、
もともと、協会の設立目的が宅建業の健全化、宅建業者の資質の向上、社会貢献等です。
その協会が、法的罰則のない住民協定の扱いをどう考えているか、面白いですねえ。
自らその協会の資質を問うわけになりますね。
公開質問にもっていけないかなあ。
返信する
Unknown (おちゃ)
2009-11-27 20:21:05
マチナミさん

マチナミさんもよろしかったら、どうぞ。
連名でもいいですよ。

冗談はさておき、時間がある時にちょっと
聞いてみましょう。
返信する
この先どうなるのでしょう。 (稲村・七里散歩人)
2009-11-27 21:11:51
ほんとうは幅10cmくらいを自治体が所有するとかして分割を防止すれば良かったのだろうけれど
既に分割が一般化してしまった現状ではどうにもならないのでしょうね、

元々この地域は土地の半分位は庭にしないと家も建てられなかったのに
どうして最近は車庫だけの家が増えたのでしょう。
住宅地の質的な劣化に資産の低減を感じます。

かのお宅の桜はどこかに移転したのか
廃棄したのか
その点がちょっと気になります。
返信する
Unknown (おちゃ)
2009-11-27 22:18:52
稲村・七里散歩人さん

こんばんは
10cm幅で自治体が所有する。初めて聞きました。
そういうアイデアもあったか。

おっしゃるとおり、「車庫だけ」が増えますね。
間口が6m~7mくらいの土地になると、
車庫と入口を作ったら終わりですから。

役所が宅建業を締め付けられないとすると、
やはり出来る範囲だけでも当住宅地内に地区計画を
制定して行くしかないと思います。

残念ながら今年のアンケートの回答率の低さ、
またそこにある回答内容を見ると、非常に
困難を感じますが。住民に景観維持の熱意が
足りません。
返信する
Unknown (おちゃ)
2009-11-27 22:20:32
稲村・七里散歩人さん

追加です。
あの桜の木は根が横にものすごく伸びていま
した。あれを掘り起こして移植するだけの
コストを業者が負担するとは思えません。
たぶん、切り刻まれて家の廃材と一緒に
焼却されたのではないでしょうか。
返信する
Unknown (マチナミ)
2009-11-27 23:13:19
おちゃさん、

分筆されている明示杭の写真を見て思いました。
分筆するには、境界立会いが必要です。
隣接の所有者が立ち会っているということです。
隣接の方は分筆には賛成なのでしょうか。
立会いを拒否すればいいとも思います。
またもう一つ気になるのが、
道路境界との立会いで市道ならば市の道路管理課等の市職員が立ち会っています。
住民協定が「分筆を認めない」という協定ならば、
市自ら協定破りに加担ということなのですね。
法をおかしていなければ、立ち会うということなのでしょうか。
鎌倉市にも、
条例化した市民憲章がありますね。
住民協定違反の分筆立会いを市自ら行なうことは、市民憲章違反とはならないのでしょうか。
市民憲章にある項目が該当するかの問題はありますが。。。
該当すれば、市を訴えることが出来ませんかねえ。

街並みを守りたいですね。
その思いだけですが。


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