我が山荘の2階は狭い。確か23平米ほどだったと思う。1階の床面積の半分弱に板を張り、2階と称しているだけだ。
周囲に建てられた山荘のほとんどが、2階の壁を立ち上げることを避けている。1階の壁を立ち上げただけで、その上に屋根をすぐ載せてしまい、2階部分は狭くて低い「屋根裏状態」で我慢する方式が支配的である、と言うか寧ろ建物としてファッショナブルと見なされているようだ。皆、おそらく建物を低く抑制することを志向しているのだろう。森に埋もれる感覚と言おうか。実は山荘の設計段階で建築家も多くが「低い方が美しい」と施主を誘導する傾向がある。私も周囲の山荘に倣い、そのような設計をお願いした。
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その結果がこれである。大きな部屋、高い天井も気持ちが良いものだが、(それが持てないことの負け惜しみではなく)この屋根裏の空間の狭さ、天井の低さによる心地よさがある、と最近しみじみ思う。ここに垂直な壁はない。いきなり登り梁(天井の傾斜に一致して斜めに上がる梁)が床から斜めに何本も生えて棟木に突き刺さっている。この登り梁は私が切望したものだ。これによって、退屈な天井のデザインがグッと引きしまったと思っている。勾配は清く「カネ勾配(45度)」である。スカッ!ドーマーで屋根の一部を持ちあげるということすらしていない。
この天井の下にはご覧のとおりベッドがあって、この天井を見ながら寝る。天井まではかなり近い距離である。
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2階の狭さや低さ自体は心地が良くても、冬の暖房による暖気が2階に滞留するのには閉口した。「した」と過去形なのは、何年か前に解決策を見出したからだ。真冬は零下15度以下にもなる場所だ。ひどく寒い日は朝起きてから夜寝るまで1日中薪ストーブを焚き続けである。暖気は吹き抜け部分を天井近くへと上がり、簡単な手すりで仕切られただけのこの屋根裏部分に逃げ込む。薪ストーブ真上の天井のファンを回して暖気を降ろすが、暖気の全部が降りて来るわけではない。だから真冬でも2階のこの小さな窓は開けっ放しである。それでも暖気はなかなか逃げないので、最近は自宅にあった不要な扇風機を山荘に持ちこんだ。それを山荘の2階に設置して首振り機能を使い「強」で回していたら、暖気がどんどん1階に降りて来るようになった。
朝ベッドから起きると、まずは2階のこの窓から外を見ることになる。網戸越しだが、外の状況がわかる。晴れは晴れ、雨は雨。雨だと雨音が聞こえ、カッコウやホトトギスの鳴き声は聞こえない。ブルーシートはお隣さんの薪材の養生のためのものだろうか。その向こうに見えるのが前面道路である。
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最後の画像は階段を2階から見たところ。柱や梁と同じくダグラス・ファー(米松)を刻んでつくられた手作り感いっぱいの狭い階段だ。まっすぐ降りて行って行きどまりを右に曲がるとスグ1階である。以前飼っていた犬が、その曲がり角のところに座り、正面の窓から外をよく見ていた。終日見ていてもほとんど人もクルマも通らないと言うのに。今はもうその犬はいないが、階段の途中にいっぱい彼の爪痕が残っている。
竣工から10年。アッと言う間だった。
周囲に建てられた山荘のほとんどが、2階の壁を立ち上げることを避けている。1階の壁を立ち上げただけで、その上に屋根をすぐ載せてしまい、2階部分は狭くて低い「屋根裏状態」で我慢する方式が支配的である、と言うか寧ろ建物としてファッショナブルと見なされているようだ。皆、おそらく建物を低く抑制することを志向しているのだろう。森に埋もれる感覚と言おうか。実は山荘の設計段階で建築家も多くが「低い方が美しい」と施主を誘導する傾向がある。私も周囲の山荘に倣い、そのような設計をお願いした。
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その結果がこれである。大きな部屋、高い天井も気持ちが良いものだが、(それが持てないことの負け惜しみではなく)この屋根裏の空間の狭さ、天井の低さによる心地よさがある、と最近しみじみ思う。ここに垂直な壁はない。いきなり登り梁(天井の傾斜に一致して斜めに上がる梁)が床から斜めに何本も生えて棟木に突き刺さっている。この登り梁は私が切望したものだ。これによって、退屈な天井のデザインがグッと引きしまったと思っている。勾配は清く「カネ勾配(45度)」である。スカッ!ドーマーで屋根の一部を持ちあげるということすらしていない。
この天井の下にはご覧のとおりベッドがあって、この天井を見ながら寝る。天井まではかなり近い距離である。
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2階の狭さや低さ自体は心地が良くても、冬の暖房による暖気が2階に滞留するのには閉口した。「した」と過去形なのは、何年か前に解決策を見出したからだ。真冬は零下15度以下にもなる場所だ。ひどく寒い日は朝起きてから夜寝るまで1日中薪ストーブを焚き続けである。暖気は吹き抜け部分を天井近くへと上がり、簡単な手すりで仕切られただけのこの屋根裏部分に逃げ込む。薪ストーブ真上の天井のファンを回して暖気を降ろすが、暖気の全部が降りて来るわけではない。だから真冬でも2階のこの小さな窓は開けっ放しである。それでも暖気はなかなか逃げないので、最近は自宅にあった不要な扇風機を山荘に持ちこんだ。それを山荘の2階に設置して首振り機能を使い「強」で回していたら、暖気がどんどん1階に降りて来るようになった。
朝ベッドから起きると、まずは2階のこの窓から外を見ることになる。網戸越しだが、外の状況がわかる。晴れは晴れ、雨は雨。雨だと雨音が聞こえ、カッコウやホトトギスの鳴き声は聞こえない。ブルーシートはお隣さんの薪材の養生のためのものだろうか。その向こうに見えるのが前面道路である。
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最後の画像は階段を2階から見たところ。柱や梁と同じくダグラス・ファー(米松)を刻んでつくられた手作り感いっぱいの狭い階段だ。まっすぐ降りて行って行きどまりを右に曲がるとスグ1階である。以前飼っていた犬が、その曲がり角のところに座り、正面の窓から外をよく見ていた。終日見ていてもほとんど人もクルマも通らないと言うのに。今はもうその犬はいないが、階段の途中にいっぱい彼の爪痕が残っている。
竣工から10年。アッと言う間だった。
泊まるのは誰? 何家族?と考え出すときりがない。
もちろん予算もある。
そして最大がデザインに影響しますね。
部屋数をとろうすると分譲住宅みたいになるし。。。
おちゃさんところはデザインとシンプルな作りに徹底されたようですね。
ロフトを居室に。これはログを建てられた経験からでしょうか。
非日常を感じる空間のロフトで寝るというのは気分をリフレッシュさせてくれるでしょうね。
チェルトの山荘は1階の立ち上げ壁に何寸か忘れましたが急勾配屋根を付けそこに部屋2つを作りました。
間取りは3LDKですが、なんとか山荘らしい外観を保てたと思ってます。
アイラ君の残した爪痕のところではほろリときました。
私にも階段を見下ろす下にアイラ君が見えそうです。
ウチは部屋数は無視でしたね。
最初から人が泊まることを考えておらず、
泊まるなら泊まっていいが、雑魚寝よ、という
スタイルです。想定した山荘の面積では、
部屋を区切ることも難しかったです。
しかしまあ、それほど客人など来ないものです。
何人かの人が泊まりましたが、皆、
雑魚寝が平気な人達です。
そうですね。1階の壁を立ち上げてすぐ屋根を
乗せるのは、ログではほとんど皆そうでしたね。
昔は法律でログ壁を二階まで積み上げるのは
許されなかったと思います。
O'Charaque時代のHPのワンコのページに、
「ワンコも外を見たい」というのがありました。
アイラがいつもこの階段の曲がり角に座って、
一生懸命窓の外を見ていましたが、HPには
その画像が添付してありました。
この階段の曲がり角は、その記憶とつながっています。
お元気ですか?
そうでしょ。ほろりと来るでしょ。
かわいいワンコだったのですよ。
性格のいい、とっても明るい子。
名前はアイラ。
オスのゴールデン・レトリバーです。
昨年2月に天国へ。
人間も歳をとるが、犬の年齢のスピードは
早すぎます。いい関係を作ってあげないとね。
まもなくブログのテーマは犬になります。
人生は犬で決まる。