
順序が逆になった。勝手な都合により資金計画の話は前回のところで書いた。それより先に、私は丸山さんと八ヶ岳西麓の山荘について、プランを練り始めていたのだ(画像はその山荘ではない。私の両親の家の作成途中の平面図だ)。私にとっては逗子市小坪(自宅)、長野県東筑摩郡麻績村(山荘)、神奈川県津久井郡相模湖町(自宅)、逗子市沼間(自宅)に続いて5軒目の家となる。
私にも標高の高い土地に建つ建物の理想がある。小さい山荘になるだろうが、自分なりにいろいろ考えてはいたのだ。鉛筆で書いた絵を丸山さんに示した。ティンバー・フレーム構造の家である。ラフな外観図、平面図はもちろんのこと、中にダグラス・ファー(米松)の構造材を組んだ複雑さを見せること、玄関ドアはオーク製、それ以外の建具はヘム・ロック、窓は最初の山荘と逗子市沼間の自宅で慣れ親しんだマーヴィン社製、採光は絞り気味、床はパイン材、外壁(藁を刻んでモルタルと混ぜるような感じ)、薪ストーブのモデル(ドイツ製)、キッチンのカルチャード・ブリック、内壁の一部はペイント、それ以外は珪藻土に色付け、キッチン収納の部材はオークで、屋根はここは吹き抜けで、全体に天井の登り梁をぐっと太めに、塗装はこんな感じで等々。具体的に丸山さんに相談し、リクエストしたのである。
丸山さんはベテランである。いろいろリクエストに応えてくれた。控えめだが、正直で的確なアドバイスがもらえる。あくまで施主の希望を優先する。しかし無理なことは無理だし、良くないことは良くないと教えてもらえる。施主のコストダウン要請には、具体的に「コレをアレにすればいくら下がるし、ソレにすればさらに下がっていくらになる」と答えてくれる。施主の無意味で傲慢な値下げ要求は不要だ。そもそも家ってそれなりの価格がつくものだ。高いことをすれば高くつくし、安く仕上げれば安くなる。安くても基本的要件を満たせば、それで問題はない。どんな構法だって、ちゃんと建てれば地震でも大丈夫。施主が素人なりに鑑識眼を持ち、まともな建築家を選べば、そこからは先はどう仕上げようが施主の努力と責任である。ちゃんとした注文の出来る施主になることだ。
丸山さんにはモデル・ハウスもないし、「これがモデル・プラン!」というモノもない。もちろん丸山さんおよびブレイスの仲間が、すでに建てた建物の現物は見ることが出来る。でもそれはいわゆるモデル・ハウスではない。施主の希望はなんでもありで、施主の希望を可能な限りかなえて行くというスタイルである。構法はログ・ハウスだろうが、ティンバー・フレームだろうが、在来木造軸組構法だろうがなんでもOKである。私もいろいろリクエストをしたし、丸山さんから学ぶところも多かった。
プラン、仕様決めで一番楽しいときですね。
私は自宅、山荘と2軒建てたにもかかわらず、
2軒ともラフプランを私が書いて、
仕様もチョコっとだけ言っておわり。
2軒とも永住体制になりつつあるので、
今となれば、もうちょっと真剣に考えてよかったかなと思います。
こんにちは。そうなんです。これが一番楽しい時。
完成した姿をあれこれ想像しながら、途中で変更し
たり、グレードアップしてみたり。コストダウンを
めぐり知恵を絞って苦労したり。
いろいろ調べたりするんですよねーー。
学生時代の勉強もこれくらいすればよかった。