町工場の娘 | |
諏訪 貴子 | |
日経BP社 |
先週は、建設業振興基金の建設業経営者研修に参加した。参加者は80名、珍しく席次も決まっている。講演が3題とパネルディスカッション、この後は懇親会。
最初の講演は、法政大学の坂本先生の「なぜこの会社に人財が集まるのか」。先生の講演は、二三度、聴いたことがある。「日本で一番大切にしたい会社」シリーズの先生だ。先生に懸ると給料が安いから、業界が忙しいから、従業員が集まらないなんてウソだ。人材に投資すれば必ず集まる、という。経営理念に感じて、応募者は殺到するという。何よりも千社以上もの中小企業を訪問しているから、実例が沢山出てくる。日本の会社で人材投資額は、平均1.5万円/人・年、人材が集まる会社は、例外なく多い。15万円/人・年の投資だ。
二番目は、日経コンストラクションの編集長。予定していた記者の方が、急きょダメになったためピンチヒッターだと。そのダメになった方の講演を聞きたかったのだが。その方は、「人材危機、建設業から沈む日本」という本を書いた方だ。私もその本を先日読み、いろいろ聞いてみたかったんだが・・
三番目は、大田区の町工場の若い女性社長。この会社は、金属を磨く会社。1ミクロンの違いは、機械ではわからず、人間の手が一番だという。そして外国では、まだ誰も真似ができない、典型的な高い技術を持つ、町工場だ。先代が亡くなって、急きょ2代目社長になり、会社を建て直したのが、ストーリーとなっている。
以前、民主党時代、野田総理が訪問したこともあるそうだ。この方も本を書いている。写真の本だ。私の気づきは、新入社員と社長の交換日記。新人が育って、交換日記を辞めた後でも、振り返りのため、社員は日記をつけているそうだ。
懇親会では、地方から来ている方が多いせいか、お帰りになる方も多く、教授はお帰りになり、女性社長は人気があり、他の方ともあまり名刺交換はできなかった。残念。