最新 業界の常識 よくわかるガスエネルギー業界 | |
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日本実業出版社 |
この本、ガスエネルギー業界のことが詳しく書かれている。よくこれだけ調べたものだと感心する。日本のガス業界の現状、世界の一次エネルギー、シェールガス革命、環境に優しいエネルギー、自動車向けエネルギー、都市ガス業界/LPガス業界の課題、東日本大震災の教訓、日本のエネルギー業界への提言からなっている。
ガスシステムの規制改革は今盛んに政府で議論中だ。この本はその少し前に書かれたものだから、こちらの記述はあまり参考にはならないが、それ以外は、結構役に立つものも多い。
特に私が関心を引いたのは、燃料電池車。燃料電池は、水素と酸素を電気化学反応させて、電気を取り出す。副産物は、水だけだ。究極のエコエネルギーだ。この開発、自動車業界が進むんではないかという。これにけん引されれば、それ以外の用途も低コスト化する。課題は、水素スタンド。現在は1か所5億円だそうだ。
東日本大震災の教訓では、プロパンの復旧は早かったが、都市ガスは遅い。筆者はLPガス事業もやっている方のようで、盛んにLPガスをPRする。地震に備えてLPガスを都市ガスに使えるように提言されてるが、都市ガスの世界では、PA-13Aタイプの移動式ガス発生設備ができているのをご存じないのかもしれない。
最後の提言は、まあ常識的な内容だ。LNGとLPGの相互利用、ガスパイプラインの整備、燃料電車の普及・スタンドの普及など、など。これからは、もう少し燃料電池に詳しくなりたいものだ。