ガス主任技術者試験の出題範囲が増えそうだ。写真は、先日のガスエネルギー新聞一面に載っていた記事2件である。
経済産業省のガス安全小委員会の議論で、都市ガスの地震時停止基準が変わるそうだ。現状は、一時停止基準はSI値60カイン以上の時、一律になっているが、これを60,70,80,90カインの4段階にするというものだ。60カインは阪神大震災の後作られたものだが、あれから20年以上経過し、ガス事業者のガス管の取替も進み、耐震性が向上したためだ。
そもそも都市ガスの停止の仕組みはどうなっているか? 都市ガスはネットワークが大きい場合、緊急時には、地域を分割(ブロック)できるようにしている。地域ごとに遮断弁を設けるなどして、即座に地域を分割し、被害のあったブロックだけを停止できる仕組みだ。
そのブロックの大きさは、「緊急対応能力」で決められる。緊急対応能力とは、ガス漏れ通報があった時でもそこに行って対応(ガスを止めたり、修理する)できる人数はガス会社によって異なる。発災時、多くの人数を動員できるなら、その停止するブロックは大きくできるというものだ。
この緊急対応能力に応じて、停止するブロックの停止基準を、ブロックの耐震性に応じて、4段階にするというもの。耐震化の進んだブロックは、停止基準が高く、なかなか停止しないようになる。これ、法令が変わる話じゃないが、受験の科目、ガス工業科目の地震対策のページに反映されるはずだ。
もう一つ、こちらは経済産業省の意向だそうだが、重要インフラのセキュリティ対策を、関係法令の保安規制に入れるそうだ。現在は、「製造供給の制御システムのサイバーセキュリティ対策ガイドライン」があるそうだが、これが法規制になるのかな。こちらはガス事業の下にある規則の改正だ。
だんだん覚えないといけない技術、規制が増えてくる。早く取得した方がいいですよ。