三橋貴明氏の経済解説本である。この人の本は3冊目。この本は今までの中で一番面白い。目からウロコ、中国の元切り上げやギリシアの破たん懸念など、最近の話題も入っている。是非一読をお勧めする。
○本当に日本は破たんするか⇒しない、健全なインフレが経済成長を起こし、日本の財政を健全化する。
○構造改革で景気は良くなる⇒ならない、デフレの時は生産性の低い需要を作り、雇用を確保し、失業者を減らす。
○日本は中国経済に飲み込まれる⇒ありえない、中国は先進経済国にはなれない。
○ユーロの失敗から日本は何を学ぶか⇒ギリシアは夕張に酷似。
○アメリカ経済は日本にどう影響を及ぼすか⇒このままではアメリカは深刻なデフレになる。
特に構造改革とインフレ・デフレが面白かったので要約する。構造改革は自由化、民営化、市場改革などイメージがよい。しかし、デフレ宣言しておいて価格競争させるとどうなるか。
デフレとは、需要より供給が多い。だからモノやサービスの価格がドンドン下がる。このとき構造改革をやると、デフレギャップがますます拡大してしまい、金利が下がり、収入も減ってしまう。消費がさらに冷える。
構造改革はインフレの時にこそ、効果を発揮する。デフレ時は、あえて、生産性の低い雇用を作り、雇用された人が収入を得、カネを使い、世の中にカネを回すことが必要。今は、構造改革を積極的に行う時期ではない。
ふ~ん。ほんとそうだが、構造改革を待てとは、今までに聴いたことがない話だ。