| 「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~ (扶桑社新書)細野 真宏扶桑社このアイテムの詳細を見る |
標記の本、昨年度ベストセラーになった本である。厚生年金を学習していてどうも問題がすっきりクリアできないため買って読んだ。
第一に未納問題、これは1号被保険者(サラリーマンとその妻以外)だけの問題なので未納者は全体の5%にも満たない。それに未納者は将来年金をもらえないため、年金は何ら破たんしないのである。ただし生活保護が少し増えるため微修正は必要と筆者は言っている。
第二に、少子高齢化の問題。今の年齢構成でそのまま行くと、確かに年金財政はひっ迫する。しかし、年金より、医療・介護の方がもっと厳しくなる。このため2025年には消費税を9~10%にしなければならない。今より5%アップで医療、介護、年金が安心ならやむを得ないか。
そして最もよくわからない年金給付の不公平感の問題。若者と年寄りがもらう年金が違って不公平なのではないかとうことである。ここで社労士で学習中の「マクロ経済スライド」が登場する。このしくみだと、所得代替率(現役時の何%年金をもらえるか)はどの世代でも85歳で41.3%となるように公平に設計されている。私の年代より上の層は、少し年金が多いが、これは年金制度の違いからくるもので決して年寄りが優遇されてるのもではないそうだ。
年金はほとんどの人が正しい知識を受けていない。誤解も多い。従って心配になって、若者も年寄りも貯金をする。それが日本国内で内需が少なく、雇用や、賃金にも影響する。これがデフレの原因にもなっている。
国民は、もっと正しい知識を身につける必要がある。テレビに出る評論家も年金をよく知らないのではないか、役所ももっと年金をPRすべきだろう。