碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

あっちもエコ、こっちもエコと、まあ、うるさいこと

2008年07月05日 | 本・新聞・雑誌・活字
洞爺湖サミット、迫る。別名「環境サミット」というわけで、開催国ニッポンは、あっちもエコ、こっちもエコと、まあ、うるさいこと。

商品のCMを見ても、売りはやっぱりエコが中心だ。JRでさえ、「新幹線は他の交通機関よりもエコなんですよ」という内容のCMを打ち始めた。エコにあらずんば善人に非ず、優良商品に非ずだ。

最近はコンビニの24時間営業までやり玉にあげられている。テレビの深夜放送は、すでにNHKでは政府の意向を”忖度”して、一部「自粛」しているが、この営業時間短縮もどれだけエコ的に効果があるのか、疑問だ。

とにかく、海外(というか特にアメリカ)に対して、「ウチもちゃんとやってます」という、いい顔をしたいのだろう。

武田邦彦さんの近著『偽善エコロジー~「環境生活」が地球を破壊する』(幻冬舎新書)を読んで、大いに溜飲を下げた。

政府もエコ、企業もエコ。今の日本はエコという一神教に支配された国だ。ならば、この本は神をも恐れぬ危険な一冊ということになる。

武田さんによれば、レジ袋を使わないのは、エコならぬ単なる「エゴ」だそうだ。なぜなら、レジ袋は石油の不必要な成分を活用した優れものだから。また、プラスチックのリサイクルは危ないという。リサイクル品の「毒物含有」と「劣化」が、とても危険なのだ。

さらに、温暖化はCO2削減では防げないことも科学的に説明されて納得。

資源材料工学の専門家である武田さんは、「環境のため」ではなく、「人生のため」の生活に切り替えることを提案している。うん。それならやってみたいではないか。

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1))
武田 邦彦
幻冬舎

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<減煙コーナー>
昨日は1本だった。泣いても笑っても1本。これは、夜、吸いました。「ここまで来たんだなあ」の感慨はもちろんあったが、それよりも「明日からは吸わなくてもいいんだなあ」の気持ちのほうが強かった。

減煙を続けてきたこの10日くらいで分かったことの一つが、自分はタバコを吸いたくて吸っていたのではなく、「吸わねばならない」「吸うものなのだ」という、まるで使命感のようなものに勝手に動かされて吸っていた、ということだ。

自由だったはずの「タバコを吸う」という行為が、いつの間にか、ずいぶん「不自由」を自分に強いていたように思えたのだ。まさに思い込みかもしれないが、確かにそう思えた。一種の発見だった。

今日(5日)は、本当に何年ぶり、いや何十年ぶりで「タバコを吸わない1日」となる予定。1日でもいいから、これを体験してみたかった。ようやく、その「歴史的1日(笑)」がきた。さて、どんなだろう?