碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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宇宙飛行士の目線はシュールな快感

2008年07月14日 | 本・新聞・雑誌・活字
疾風怒涛の北海道行きの後なので、さすがに昨日の日曜は少し休憩モード。

で、”休憩の友”にと取り出したのは写真集の新刊だ。ミコラス・チータム:著、古草秀子:訳『宇宙から見た地球』(河出書房新社)。とはいえ、寝転がって見るには、縦27センチ・横25センチとやや大きく、そして少々重いけどね。

これ、最新の衛星画像データを惜しげもなく使い倒した、高精度な写真集なのだ。だから、宇宙飛行士の目線で地球を眺める快感を味わえる。

俯瞰で見るヒマラヤ山脈やガンジス川の美しさと怖さ。そう、美しいだけじゃなくて、見ていると怖くなるような壮絶な風景なのだ。また、巨大な大地の中では、人間の住む都市が、まるで異物のように見えてくるから不思議。

「自分もこんな星に生きてるんだなあ」と思いながらページをめくっていると、ちゃちな悩みなんか吹っ飛ぶ(かも)。日夜稼動している脳細胞の疲れを、じんわり揉みほぐしてくれる、驚異の風景だ。

宇宙から見た地球
ニコラス・チータム
河出書房新社

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