毎日、もしくは頻繁にチェックするブログがある。神戸女学院大学教授の内田樹さんの「内田樹の研究室」も、その中の一つだ。
内田さんの本は、2002年の『大人は愉しい~メル友おじさん交換日記』あたりからリアルタイムで読んでいる。ただし、武術論・身体論方面はやや苦手です。すみません。
ブログという一種の「生放送」には、本とは違う分かりやすさ、楽しさがある。
新著『こんな日本でよかったね~構造主義的日本論 』(バジリコ)は、このブログがベースになっている。だから、ほとんどは、一度は読んだ文章のはずだが、そこは編集の妙。項目が整理され、再構成されると、「ブロック」としての意味を持ってくる。「なるほど」感が高まる。
この本の魅力、というか内田さんの魅力ってことかもしれないが、それは「言い切ってくれること」だ。
「***ではないか」とか、「***かもしれない」とか、「***とも考えられる」とか、そんな曖昧なことは言わない。内田さんは、「***なのだ」と潔い。
たとえば、「格差社会」とは何か? 内田さんはいう。〔金の全能性が過大評価されたせいで人間を序列化する基準として金以外のものさしがなくなった社会〕だと。なるほどなあ。
また、「少子化」については、こうだ。〔少子化は「問題」ではなく、問題に対する「解答」である〕。なぜなら〔日本政府の30年にわたる国策の成果〕だから。
さらに、この問題に楽観的だという理由を、〔明治末期の5000万人くらいまで減少すれば、日本社会は今より住みよくなるだろう〕と説明している。冗談みたいだが、確かにそうかもしれない。
大学生と就職に関しては、〔「適職」という概念を発明したことそれ自体がリクルートの奇跡的なサクセスの秘密なのである〕とキッパリ。さらに、〔人生はミスマッチである〕の名言が続くのだ。
うーん、深い。ミスマッチがマッチしていくプロセスが人生かもしれない。
さまざまなメディアから、あらゆるテーマについて、内田さんは「回答」を求められる。『そうだ、村上さんに聞いてみよう』(朝日新聞社)という書名があったけど、あれは村上春樹さん。今や「内田さんに聞いてみよう」状態である。
そして、快刀乱麻のごとく内田さんは答える。「私はこう考える」と。
たぶん、その回答が正しいかどうかは問題ではない。私を含む読者にとって、「こう考えることができるんだ」という発見、または気づきが快感で、今日もまた内田さんの新刊に手を伸ばしてしまうのではないか。と、内田さんならぬ私は、「***ではないか」方式で書いておこう。
内田さんの本は、2002年の『大人は愉しい~メル友おじさん交換日記』あたりからリアルタイムで読んでいる。ただし、武術論・身体論方面はやや苦手です。すみません。
ブログという一種の「生放送」には、本とは違う分かりやすさ、楽しさがある。
新著『こんな日本でよかったね~構造主義的日本論 』(バジリコ)は、このブログがベースになっている。だから、ほとんどは、一度は読んだ文章のはずだが、そこは編集の妙。項目が整理され、再構成されると、「ブロック」としての意味を持ってくる。「なるほど」感が高まる。
この本の魅力、というか内田さんの魅力ってことかもしれないが、それは「言い切ってくれること」だ。
「***ではないか」とか、「***かもしれない」とか、「***とも考えられる」とか、そんな曖昧なことは言わない。内田さんは、「***なのだ」と潔い。
たとえば、「格差社会」とは何か? 内田さんはいう。〔金の全能性が過大評価されたせいで人間を序列化する基準として金以外のものさしがなくなった社会〕だと。なるほどなあ。
また、「少子化」については、こうだ。〔少子化は「問題」ではなく、問題に対する「解答」である〕。なぜなら〔日本政府の30年にわたる国策の成果〕だから。
さらに、この問題に楽観的だという理由を、〔明治末期の5000万人くらいまで減少すれば、日本社会は今より住みよくなるだろう〕と説明している。冗談みたいだが、確かにそうかもしれない。
大学生と就職に関しては、〔「適職」という概念を発明したことそれ自体がリクルートの奇跡的なサクセスの秘密なのである〕とキッパリ。さらに、〔人生はミスマッチである〕の名言が続くのだ。
うーん、深い。ミスマッチがマッチしていくプロセスが人生かもしれない。
さまざまなメディアから、あらゆるテーマについて、内田さんは「回答」を求められる。『そうだ、村上さんに聞いてみよう』(朝日新聞社)という書名があったけど、あれは村上春樹さん。今や「内田さんに聞いてみよう」状態である。
そして、快刀乱麻のごとく内田さんは答える。「私はこう考える」と。
たぶん、その回答が正しいかどうかは問題ではない。私を含む読者にとって、「こう考えることができるんだ」という発見、または気づきが快感で、今日もまた内田さんの新刊に手を伸ばしてしまうのではないか。と、内田さんならぬ私は、「***ではないか」方式で書いておこう。
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