20日(日)、21日(月)は、大学のオープンキャンパスだ。私も「講義ライブ」という短いレクチャーをしたり、「面談」を担当したが、大学事務局によれば、昨日の初日は約1000人の来場者があったそうだ。梅雨明けで、あんなに暑かったのに、嬉しいではないか。
思えば、私たちが高校生だった頃には、オープンキャンパスなどというイベントはなかった。高校3年の夏休みに、一人で上京し、親戚の家に1泊させてもらい、受験しようと思っていた4つの大学を回ってみた。いずれの大学も夏休み中だったからキャンパス内は静かで、のんびりと散歩をしたような”一人見学ツアー”だった。
ふだん信州で暮らす高校生にとって、受験雑誌などで見るだけだった大学のキャンパスを実際に歩くのは、結構いい刺激になった。その場に立ってみたことで、何となく雰囲気が気に入ったり、その逆だったりして、行きたい大学の順位も入れ替わったりした。しかし、最終的に受験したのは、このときに訪ねた4校のみだ。
昨日、炎天下のキャンパスに来てくれた大勢の高校生たち。女子生徒には制服姿も多く、土曜の夜にテレビ放映で見たばかりの長編アニメ映画『時をかける少女』(細田守監督)を思い出した。
これは公開時に見逃して、ずっと気になっていた作品だ。筒井康隆さんの原作とも、大林宣彦監督の実写版とも、かなり違う物語展開とテイストで驚いたが、いやあ、見てよかった。遅ればせながら、傑作でありました。
ヒロインの女子高校生(真琴)と二人の男子高校生(千昭と功介)。その日常的な言葉、会話、感情、しぐさ、身体全体の動き。いずれも、極めて繊細に、リアルに、彼らの「世界」をすくいとり、表現されている。3人が何も意識せずキャッチボールをしているだけの風景が、人生という時間の流れの中で、いかに貴重なものか。見ていると、ちょっと泣きたくなる。
そして、何より、絵の美しさ。たとえば夕焼けの遠景ひとつにしても、実写で粘っても偶然に左右され、思ったような映像は困難で、CGで理想的な夕景を描くことは可能だが、それもこの作品の映像トーンにハマるとは思えない。これが、やはり完成した世界なんだよなあ。
映画の中の、ヒロインの少女は走る。本当によく走る。思いっきりジャンプする。何度も転倒する。そして、転がるたびに成長していく、ひたすら多感な時期。
広いキャンパスの中央を占める、これまた広くて長い緩やかな坂道を行き交う高校生たちを眺めながら、映画の中のいくつものシーンを思い浮かべていた。
思えば、私たちが高校生だった頃には、オープンキャンパスなどというイベントはなかった。高校3年の夏休みに、一人で上京し、親戚の家に1泊させてもらい、受験しようと思っていた4つの大学を回ってみた。いずれの大学も夏休み中だったからキャンパス内は静かで、のんびりと散歩をしたような”一人見学ツアー”だった。
ふだん信州で暮らす高校生にとって、受験雑誌などで見るだけだった大学のキャンパスを実際に歩くのは、結構いい刺激になった。その場に立ってみたことで、何となく雰囲気が気に入ったり、その逆だったりして、行きたい大学の順位も入れ替わったりした。しかし、最終的に受験したのは、このときに訪ねた4校のみだ。
昨日、炎天下のキャンパスに来てくれた大勢の高校生たち。女子生徒には制服姿も多く、土曜の夜にテレビ放映で見たばかりの長編アニメ映画『時をかける少女』(細田守監督)を思い出した。
これは公開時に見逃して、ずっと気になっていた作品だ。筒井康隆さんの原作とも、大林宣彦監督の実写版とも、かなり違う物語展開とテイストで驚いたが、いやあ、見てよかった。遅ればせながら、傑作でありました。
ヒロインの女子高校生(真琴)と二人の男子高校生(千昭と功介)。その日常的な言葉、会話、感情、しぐさ、身体全体の動き。いずれも、極めて繊細に、リアルに、彼らの「世界」をすくいとり、表現されている。3人が何も意識せずキャッチボールをしているだけの風景が、人生という時間の流れの中で、いかに貴重なものか。見ていると、ちょっと泣きたくなる。
そして、何より、絵の美しさ。たとえば夕焼けの遠景ひとつにしても、実写で粘っても偶然に左右され、思ったような映像は困難で、CGで理想的な夕景を描くことは可能だが、それもこの作品の映像トーンにハマるとは思えない。これが、やはり完成した世界なんだよなあ。
映画の中の、ヒロインの少女は走る。本当によく走る。思いっきりジャンプする。何度も転倒する。そして、転がるたびに成長していく、ひたすら多感な時期。
広いキャンパスの中央を占める、これまた広くて長い緩やかな坂道を行き交う高校生たちを眺めながら、映画の中のいくつものシーンを思い浮かべていた。
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