碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

疾風怒濤の”短期決戦”北の旅

2008年07月13日 | 映画・ビデオ・映像
昨夜、「札幌1泊2日の旅」から無事帰還した。

金曜の昼に千歳空港に到着し、そのまま札幌へ移動。午後はHTB北海道テレビ『イチオシ!』に生出演。終了後、ホテルにチャックインし、再び街へ。

放送関係の方々と、行きつけの串揚げ屋さんで少し遅めの夕食。というか、飲みながら、やっぱりテレビ談義、仕事談義だ。こうゆうのがまた楽しい。さらに場所を変えて、今度は放送関係の方がやっているお店へ。そこで初めて会う方々ともお話をして、飲んで、ホテルに戻ったら2時でした。

しかし、朝は8時に起床。朝食後、チェックアウト。そのままスガイシネプレックス札幌劇場へ。ここで全国に先駆けての「先攻(先行じゃなない)」上映が行われている『ギララの逆襲~洞爺湖サミット危機一発(髪じゃない)』を見るためだ。

『ギララの逆襲』は、『日本以外全部沈没』『ヅラ刑事』などで知られる河崎実監督の作品。河崎監督といえば、4月に新宿で行われた特殊映画イベント「アリコンのバカデミーSHOW」のゲストとして出演された際、ご挨拶している。ほんと、映画というフィールドで、できる限りのバカバカしいことを、バカバカしいくらい本気でやってしまう人なのだ。

この『ギララ』も、怪獣映画・特撮映画へのあふれんばかりの愛情が満杯状態。サミット開催中の北海道に、突然ギララが現れる。G8首脳たちは、それぞれの国の威信をかけて「必殺技」を繰り出すが、ことごとく失敗。結局、ギララを倒すのは、ビートたけし演じる謎の守護神「タケ魔人」なのだ。って書いていても、そのバカバカしさと、監督の”本気度”が甦ってくる。

怪獣映画・特撮映画のファンにとっては、40年前と同じように「ギララ」をスクリーンで見られるのが嬉しい。それと、出演者がまた泣かせてくれるのだ。初代『ウルトラマン』の黒部進さん。このときウルトラマンのスーツの中に入っていて、次の『ウルトラセブン』ではアマギ隊員を演じた古谷敏さん。『キャプテンウルトラ』の中田博久さん。67年の松竹映画『宇宙大怪獣ギララ』の主演・和崎俊哉さんなどが総出演なのだ。彼らを一人でも多く知っていれば知っているほど、楽しめる。それにしても、まあ、よく集めたこと。

札幌の街をギララが破壊する。逃げ惑う市民。でも、画面をよく見ると、市民が悲鳴をあげながら逃げている道は、私がこの映画を見ている札幌劇場の前の舗道なのだ。思わず笑った。笑ったといえば、各国首脳のパロディや、ザ・ニュースペーパーの面々が風刺を効かせて演じる日本の首相や元首相にも大笑いだった。

河崎監督も、例によっての「出たがり」で画面に登場していたし、まあ、監督ご本人が一番見たい映画で、また、ご本人が一番楽しんでる映画ではないかと思った。

ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発 オフィシャルフォトブック

文苑堂

このアイテムの詳細を見る


映画鑑賞後は、ススキノにある行きつけの蕎麦屋さんで昼飯。6年間、千歳から札幌に来るたび、このお店で必ず食べてきた「鴨せいろ」だ。食後は、すぐ隣にある、これまた行きつけの古本屋さんで、100円均一ワゴンと店内の棚のチェック。ああ、至福のひととき。

しかも、100円均一ワゴンで、25~30年前に出た「手塚治虫全集」(講談社・全400巻!)の端本(はぼん)10数冊を発見。即、購入。この中の1冊である『紙の砦』には、高校1年生のときに雑誌「COM」で読んだ記憶のある作品「トキワ荘物語」も入っていた。ちょっと感激。

紙の砦 (手塚治虫漫画全集 (274))
手塚 治虫
講談社

このアイテムの詳細を見る


そして、古本屋さんを出てから向かったのが札幌ドームだ。午後2時から、ドームでファイターズ対ソフトバンクの試合があることを、突然、知ったのだ。タクシーで駆けつけたら、間に合ってしまった。当日券も買えた。

私は6年間も「北海道民」だったのに、一度もドームに入ったことがなくて、ファイターズの試合もナマで見たことがなくて、ずっと残念に思っていたが、それが、ついに実現したわけだ。

FMノースウエーブ「なんてったって大人塾・リターンズ」の生放送が4時過ぎからあったので、3時40分にはドームを出て、札幌駅近くまで戻らねばならない。結局、試合は4回までしか見られなかった。

しかし、何と、スレッジの満塁ホームランも、稲葉さんの2ランも、しっかり観客席から見ることができたのだ。いやあ、興奮したなあ。初めて、見知らぬお姉さんたちとハイ・タッチもしたし。

ドームからノースウエーブへと急ぎ、もちろん生放送にも間に合い、ヒロさん、ケイコさんと一緒に、さっきまで見ていたドームの試合や、『ギララ』や、小説『優しい悪魔』&減煙体験といったお話をさせていただいた。

出番が終わって、局の近くのラーメン屋さんで夕食をとり、札幌から千歳空港へ。千歳から羽田へ。羽田から我が家へ。ということで、「疾風怒濤の”短期決戦”北の旅」が終わったのでした。ほんと、濃かった。北海道の皆さま、お世話になりました。